5日、都内で、民主党代表選への出馬を正式表明する菅直人氏(撮影:吉川忠行)

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民主党の菅直人元代表(59)は5日夜、東京都千代田区のキャピトル東急ホテルで記者会見を開き、前原誠司代表の辞任にともない7日に行われる党代表選に立候補すると正式に表明した。

 会見で菅氏は、老壮青の適材適所による挙党態勢の必要性を指摘し、「自民党に対して内政外交においてきちっと対立軸を明示して、政権の選択肢を国民に提示できる政党に再建しなければならない」と政権交代の実現に意欲を示した。

 小泉純一郎政権の問題点として、官製談合や財政赤字に対する改革の遅れ、「弱肉強食」による経済活性化などを列挙。「不幸を最小化するのが政治の責任」とホームレスや自殺者を増やさないための政策を筆頭に、◆団塊世代の定年後の社会参加◆農山村地域の再生◆米国と同時にアジアにも軸足をおいた外交の展開─など具体像を示し、自民党政権への対立軸として掲げた。

 また、ベテラン議員らの話し合いによる候補者一本化の動きに一定の理解を示しながらも、「選挙は、全国会議員が有権者となり、直接参加ができる。選ばれた代表に対して、全員が責任も持つ側面もある」と選挙による代表選びの重要性を指摘。対抗馬となる小沢一郎氏については「尊敬すべき政治家のひとりで、リーダーシップも期待し、その実力も大きく認めている」と評しながら、「私には私なりのリーダーシップを持っている」と強調した。

 会見には、津村啓介衆院議員や寺田学衆院議員、江田五月参院議員会長ら菅氏に近い議員や、憲法改正に慎重な中堅、若手議員でつくる「リベラルの会」の平岡秀夫衆院議員ら数人が居合わせた。

 菅氏は、1946年10月10日山口県宇部市生まれ。東京都武蔵野市在住。東京工業大学理学部卒業後、弁理士のかたわら市民運動に関わる。80年の衆院選で旧東京7区から初当選し、現在9期目。96年の橋本龍太郎内閣で厚生大臣に就任。民主党結党以来、過去5回行われた代表選すべてに出馬、うち2回勝利し、代表を歴任した。座右の銘は「同行二人」。【了】

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