【警告】甲府=松橋(18分) 名古屋=なし
【MAN OF THE MATCH】阿部翔平(甲府)

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【試合内容】
 守備に重心を置きカウンターからチャンスを窺う甲府に対し、ポゼッションとカウンターを使い分けた戦いで打開を図る名古屋の一戦は、両者とも決め手を欠いたまま推移する。こう着状態が続くなかで迎えた81分、甲府はゴール正面の絶好の位置でFKを獲得すると、これを阿部翔が直接決めて先制。堅守をこじ開けられない名古屋を尻目にこの1点を守り切り、ホーム開幕戦を制した。

【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・2節

【チーム採点・寸評】
甲府 6.5
5-3-2へのシステム変更が奏功。攻撃面の課題は残されたが、中盤3枚のプレスが機能し2トップが起点を作れた部分は収穫だ。
 
名古屋 5
カウンターで脅威を与えたが、ポゼッション時の戦いは課題が残されたまま。攻撃の型を示せず不甲斐ない戦いぶりだった。

【甲府|採点・寸評】
GK     
1 荻 晃太 6
セットプレーでは、味方へしっかり指示を飛ばし守備を安定させる。枠内へのシュート自体が少なく、ビッグセーブと言えるものはなかった。
 
DF      
3 畑尾大翔 6
3バックの連係を乱さず、無難なプレーに終始する。相手の圧力を受けても、セーフティな対応を意識していた。
 
4 山本英臣 6
ラインをコントロールしつつ、高さのあるノヴァコヴィッチにもしっかり対応。自らボールを前に持ち出し、両サイドへのパスの配球もこなした。
 
13 野田紘史 6
大きく崩れる場面はなく、粘り強いマークでピンチの芽を摘み取る。1列前の阿部翔にパスを供給するなど、攻撃にもたびたび関与した。
 
MF     
16 松橋 優 5
自陣でのミスから再三ピンチを招きひやりとさせる。18分には本多への不用意なアフターチャージで警告を受けるなど、守備で後手を踏んでいた。
 
23 稲垣 祥 6
中盤のスペースを埋めつつ、高い位置からのボール奪取も披露。阿部拓が放ったシュートのこぼれ球に反応した24分の決定機は決めたかった。
 
8 新井涼平 6
怪我明けの影響からか、開始8分に失点につながりそうなピンチを招くも次第に安定。1対1の局面では迫力あるチャージを見せ縦横に駆け回った。
 
27 阿部翔平 6.5
正確な左足のFKで決勝点をマーク。「タイミングを少しずらしながら蹴った」と言うキックは、名手・楢粼が守るゴールを見事に破った。
 
FW
7 石原克哉 6
効果的なフリーランでボールを引き出すだけでなく、献身的な守備で存在感を顕示。運動量は最後まで衰えず、攻守に渡り貢献度の高さを見せた。
 
9 阿部拓馬 6.5
中盤から前線を幅広く動き回り、身体を張って起点になる。無得点に終わるも、巧みなドリブルで相手DFを翻弄するなど、危険な匂いを漂わせていた。
 
11 アドリアーノ 6
2トップの一角として起点作りに腐心。ゴール前で脅威を示すシーンは限られたが、チームプレーを意識した姿勢は褒められるべき。決勝点となったFKも獲得した。
 
交代出場
28 橋爪勇輝 -
疲れの見え始めた松橋に代わりピッチに。右WBを務め、出場時間が限られたなかでも真骨頂の縦への鋭い突破は見せた。
 
15 伊東純也 -
試合終盤ながらも、Jリーグ初出場を果たす。前線から積極的にボールを追いプレッシャーをかけつつ、自慢のスピードも示した。
 
監督
樋口靖洋 6.5
「自分たちのサッカーが一切できなかった」前節を踏まえての布陣変更がハマる。粘り強い守備を蘇らせて勝点3を獲得した。
 
【名古屋|採点・寸評】
GK
1 楢粼正剛 6
失点場面は相手のシュートを褒めるべき。試合を通じて見せ場は少なく、セットプレーではキャッチミスから失点した前節・松本戦のようなミスは繰り返さなかった。
 
DF
2 竹内 彬 5.5
タイミング良く攻め上がりクロスを放り込むも、得点にはつながらず。攻撃に変化を加える意味でも、積極的にシュートを狙っても良かった。
 
3 牟田雄祐 6
背後を取られる場面はほぼ皆無。相手の起点となったアドリアーノ、阿部拓との勝負でも引けを取らず、周囲との呼吸も問題はなかった。
 
4 田中マルクス闘莉王 5.5
判定が微妙だったが、81分に決勝点につながるFKを与えたのは痛恨。終盤は前線に上がるも、前節にPKを外した“汚名返上弾”は奪えず。
 
6 本多勇喜 6
序盤はサイドの攻防で優位に立ち、積極果敢なオーバーラップも見せる。後半は阿部拓、アドリアーノのフリーランを意識し過ぎてか、やや消極的だった。
 
MF     
20 矢田 旭 5.5
攻撃にアクセントを加えられず。「もう少しシュートを狙っても良かった」と本人が反省するように、強引さがあっても良かった。
 
8 ダニルソン 5.5
持ち前の激しいタックルを見せた一方で、中盤で易々とボールを奪われるシーンも。76分に脚を痛めてピッチを退いた。
 
7 田口泰士 5.5
球際に激しくチャレンジし、前線へ正確なパスも配球したが、やや物足りない出来に。局面を打開するような強引なプレーも加えたい。
 
22 小屋松知哉 5.5
2戦連発へ期待も膨らんだが、この日はシュート0本に。見せ場は、10分にスピードに乗ったドリブルからチャンスを作った場面しかなかった。
 
11 永井謙佑 5.5
61分に縦への突破から放ったシュートはポストに嫌われる。プレスバックは効いていたが、肝心の攻撃面では不完全燃焼に終わった。
 
FW     
18 ノヴァコヴィッチ 5
チャンスが少なく、シュートはわずか1本に。周囲とのコンビネーションが噛み合わず、終始苛立ちを隠せなかった。
 
交代出場
10 小川佳純 5
2列目の右サイドに入るも、平凡なプレーに終わる。目立った効果を生めず期待に応えられないまま、試合終了を迎えた。
 
32 川又堅碁 5
2試合続けて途中出場もアピールとはならず。ノヴァコヴィッチと2トップを組んだが、ゴール前で迫力は出せなかった。
 
監督
西野 朗 5
ポゼッション時の戦い方に明確な意図を示せず初黒星。前節同様、終盤になって前線に厚みを加えても、個人任せの攻撃では限界があるのも確かだ。
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
 
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。