2月21日(土)バンタン卒業修了制作展「VANTAN STUDENT FINAL 2015」THE POWER OF DESIGNがEBiS303で開催された。

その中で行われたヘアメイクショーに、ヴィジュアル系ロックバンド「メガマソ」のメンバーがヴィジュアルメイク&スタイリングのモデルとして登場。席が不足する程の超満員の観客が集まり圧巻のステージングに息を飲んだ。

バンタンデザイン研究所ヴィジュアルアーティストメイク学科30名の中からメガマソの指名を受け選ばれた学生は3名。“佳響”という全体テーマを元に、「退廃」、「耽美」、「猟奇」と三つのテーマを考案。それぞれにメガマソメンバーの全身で表現した。ヘアメイクを施されたメンバーの姿はまるで異界から姿を現した”魔物”のようであった。学生モデルの登場に続きメンバーが登場、ステージ中央のランウェイで堂々のウォーキングを披露した。

突き刺さらんばかりの攻撃的なBGMと共にヴォーカルのインザーギが「退廃」を表現するメイクを施され登場。黒衣を纏ったインザーギは、顔の右半分が骸骨化。伏し目がちに歩く姿はまるで、「きっとお前たちもやがては朽ちていく」と言わんばかりの永年の孤独を感じさせた。続くベースのGouは逆立てた髪は紫に染められ、そこから顔の中心にかけて白くグラデーションされた「耽美」をイメージしたメイクで登場。杖を片手に鋭い視線で歩く様は、「最上の美はここにあり」と他を寄せ付けぬ厳かなウォーキングを見せつけた。最後にステージへ姿を現したのは、黒く染めた髪に角を生やした、赤から白にグラデーションされた顔の中心に黒い模様で「猟奇」を体現したギターの涼平。普段のにこやかな表情は何処へやら、冷たく射抜くような視線でランウェイ中央まで出てくると、大きな瞳を見開き、獲物を見つけ出し射殺さんばかりの表情を浮かべマントを翻しターン。最後はステージ壁際へメンバーが横一列に並ぶと、ガラスが割れるような音と共に”魔物たち”は姿を消した。フィナーレで再びステージに登場。学生と共にウォーキングを披露し、ヘアメイクショーは幕を閉じた。

終演後、メガマソのメイクを担当したヴィジュアルメイク科の学生にインタビューをしたところ、インザーギを担当した横沢真緒さん「半分骸骨のスカルメイクをするのに、骨格に沿ってシャドウで影を入れるのが難しかった」。Gouを担当した宮本花蓮さん「肌の色は全部シャドウ。下地を縫って紫と水色でグラデーションを作ったのがこだわり」。涼平を担当した池田成見さん「ドーランを塗った後、赤いシャドウを塗る際に顔の凹凸を意識して綺麗に模様がでるようにした」とコメント。普段とは180度違う表情を見せたこの日のメガマソだが、3月11日(水)には両A面シングル『MISS WAVES/VIPER』のリリースが決定している。また、シングル発売と共に春のワンマンツアーの開催やメンバー生誕イベントも行われるなど、今後の動向に是非とも注目してほしい。この日とはまた違った色彩溢れる表情を見せてくれることだろう。
(TEXT/河内香奈子)