国際Aマッチーデーのために中断していたブンデスリーガが3月30日に再開。前節アウェイでニュルンベルクに0−3と敗れて、連勝が3でストップしたシャルケがホームにホッヘンハイムを迎えた。残留争い中のホッヘンハイムだが、前々節を勝利で飾り、前節は6位マンイツ戦を0−0と引き分け、勝ち点を積み上げている。
 シャルケ内田は先発出場、ホッヘンハイムの宇佐美はベンチスタートとなった。

 立ち上がり、内田が立て続けにクロスを放ち、チャンスを演出するが、ゴールには至らなかった。その後もシャルケがゲームの主導権を握ってはいたもののゴールは生まれない。しかし71分ペナルティエリア内で、ボールを受けたファルファンが、左へ流したパスをボランチのヘイガーが決めて、シャルケが先制すると、79分には途中出場のラファエウが得点。83分にはそのラファエウのアシストを交代出場したばかりのプッキが決めて、3−0とシャルケが快勝する。

 フル出場した内田は1月26日アウブスブルク戦以来の無失点に貢献した。しかしこの試合はスコアレスドローだったため、無失点勝利は10月27日のニュルンベルク戦以来となる。

 ブンデスリーガは残り7試合。シャルケは30日現在でCL予備予選出場の4位に位置しているが、10位までの勝ち点差は5しかない。取りこぼしが許せない状況である。
 敗れたニュルンベルクは、自動降格の17位のまま。入れ替え戦を戦う16位アウブスブルクとの勝ち点差は4。残留圏内の15位とは勝ち点差9となった。
 この日出場機会のなかった宇佐美は、現在ガンバ大阪からホッヘンハイムへのレンタル移籍中だが、試合後、来季についてコメントしている。

内田篤人コメント
●試合を振り返って。
 良いサッカーをしていたけど、点がなかなか取れなかったね。1点入ったら、向こうが切れてくれたからね。ホッヘンハイムは良い選手がいると思うけど、今日はコンビネーションがあんまりなかった。だから1対1だけ気をつけて、あとはセカンドボールを拾おうというのはミーティングでも言っていたので、そこを意識しました。やられるとしたら、僕らのミスか、カウンターだと思っていたからね。

●前半の途中から前線の選手の動きが悪く、パスの出しどころに困ったんじゃないか?
 そういう時間帯もあったけど、そういうときでも繋げるようにならないと。人がいないから繋げませんじゃね。人がいれば誰でも繋げるから。やっぱりいい選手は無くても自分で探すだろうし。うちには、時間を作って、ボールを保持できるような選手がいるからね。

●前節ニュルンベルク戦は試合に出てなかったが敗れた。きょうは試合に出て勝てましたね。
 自分が出てないから負けるとか、自分が出て勝てたとかは別に意識はしないですけど。自分が出ているときに勝つにこしたことはない。この前のニュルンベルク戦はチャンピオンズリーグに負けてすぐの試合でしたし、今回はみんな代表でいろんなところへ行って帰ってきてからの試合でしたけど、ホームゲームでしたからね。助かったかなって思います。

●途中出場の選手が活躍をしましたね?
 けが人も戻ってきたし、徐々に。まあ、試合途中から入ってくる選手が点に絡むと競争意識が高まる。変な意味、そろそろ契約の話も出てくるので、就職活動じゃないけど、みんなアピールしたいんじゃないかな。それはいいことだと思います。

●ゴールが決まったとき、二度、ベンチへ水を飲みに行っていましたが?
 筋肉は脱水症状になるとと良くないから、水は多めにとれって言われているので、水を優先しました。みんなのところへ行くのは少し遠かったから(笑)。

●代表でのくやしさを晴らせた試合になりましたか?
 代表が悪い試合をしたというか、みんな行けると思いすぎだったから。これで勝てば行けるみたいな雰囲気が出ていたけど、そんなに簡単じゃないし。ただ負けただけだから。

●残り7試合ですね。
 ひとつも落とせないくらいの気持ちで戦っていかなくちゃいけないと思う。下も詰まっているからね。

宇佐美貴史コメント
●試合を振り返って。
 向こうの交代がすごく的確で当たっていたから、向こうに勢いがあったし、それに自分たちがついていけなかったという感じだと思います。

●交代枠を1枚残したまま試合が終了しました。
 交代枠を残していたというよりも、交代のチョイスに関しても納得がいかない。結果的に最初交代以降、2点取られている。そういうところにも今日の結果になった理由があるのかなと思う。1点取られたなかで、自分が出たときのプレーというか、そういうものが明確にあったし、出ればいける自信があった。自分が出ればという気持ちがある中で、チョイスもされなかったので、

●交代で出るとしたら、このポジションという風に言われているのか? 以前ボランチでも出ていたが。
 事前には何も言われていない。この間はいきなりボランチで使われましたし、どこで出るのかっていうのは、自分でもわからないですけど。ボランチで使われることは練習でもなかったので。そういう使われ方の中でも、自分がやらなくちゃいけないというのはありますが、自分が得意としているところで出たいという気持ちもあります。

●チームの現状について。
 前々節フィルトに3−0で勝って、マインツもすごく良いチームですけど0−0で終えられた。攻撃面での結果が出なかったけど、守備はしっかり構築出来ていた中で、今日3失点したというのは、響くところがあるのかなとは思います。次のデュッセルドルフ戦(15位)は大事な試合だし、順位も近い相手なので、勝てれば本当に大きな勝利になると思うし、そこから劇的に変わるかもしれない。

●今、チームが持ち直すためにどういうところが大事なのか?
 それには取り組んではいる。今日負けたからって、慌てているようでは、遅いと思うし、その時点で落ちることが決まっちゃうと思う。やるべきことは続けているけれど、結果がついてこないというのが、下の順位のチームだと思う。それでも続けていくしかないと思う。ある勝利が大きい一勝となって勢いに乗ってというのが、残り3試合であるかもしれない。それが次の試合かもしれないし。それはわからないけれど、とにかくやり続けないと可能性が見えてこないと思います。可能性がある限りやり続ける。

●今レンタルでこのチームにいますが、来季以降の話はしていますか?
 そこも自分にとっては難しいところだと思います。このまま、ホッヘンハイムに残って2部に落ちてというのもありますし、1部のクラブへ行くかもしれないし、日本へ戻るかもしれないし。いろいろな可能性のある中で、マネージャーともいろいろ話はしていますけど、具体的な話どうこうというのは言えないですけど。どうなるかっていうのは自分自身でもわからないですね。

●来季、ドイツ以外でプレーする可能性もある中で、ドイツ語の習得に対するモチベーションはどんな風にキープしているのか?
 今はドイツにいるので。来年、次のシーズンどこにいるのかわからないからといって、ドイツ語の勉強をやめるつもりはないですし、ドイツ語の勉強することで、次のチームでドイツ語が生きてくることもあるし、やめるつもりはない。モチベーションは変わらないですよ。ドイツ語をしゃべれるようになりたいという気持ちは強くありますし。しゃべれるようにもなっています。一度メディアに「まったくしゃべれない」と出ていましたけど。ああいうのもまったく事実じゃないので。サッカーの言葉は全く問題はないですし、もし問題があれば、監督も通訳をつけると思うし、それがないというのは、しっかり理解できているからだと思います。

●去年の今ごろはバイエルンでベンチに入れないような状況でしたが、今のほうが充実感はあるのでは?
 試合に出ていない中でも、日頃の練習のレベルの高い中で得るものはすごく多くありました。今シーズンは試合に出た中でいろいろな課題を感じるし、同時になかなか結果が残せない部分で、自分自身に情けないなという気持ちを強く持っています。それが試合に出ているとか、試合にかかわっていく中でいろいろな経験を今シーズンは出来ている。現状についてはまったくネガティブにはとらえていないです。僕自身もまだまだ若いので、今こういう経験を積み上げることは絶対にプラスになっていくと思うので。