韓国の人工衛星登載ロケット「羅老(ナロ)」(KSLV-I)の打ち上げ再延期によりすっかり意気消沈している韓国に、国産ロケットの開発・打ち上げ計画があることが分かった。羅老の開発で培ったノウハウをベースに、2021年までに自力で打ち上げる予定という。

韓国政策放送が10月26日に報じた内容によると、韓国政府は今後、国産ロケット事業に1兆5000億ウォン(約1140億円)を入じ、1.5トン級の実用衛星を軌道に投入できる3段型の国産ロケット(KSLV-2)を開発する。

そのため、韓国は2014年までに7トン級の液体エンジン開発とテスト施設を建設し、その後、2018年までに韓国型ロケットの基本エンジンである75トン級の液体エンジンを完成させ、試験打ち上げを行う。そして、75トン級エンジン4機を積んだ300トン級の推力を持つエンジンを製造し、2020年と2021年に2回に渡り独自の技術で打ち上げる計画だ。

3段ロケットの全長は47.5メートル。羅老号の1.5倍の大きさで、推進力も2倍になるという。

このような国産ロケットの開発事業は、韓国経済にも肯定的な影響を与えるようだ。韓国政府は2兆9000億ウォンの生産誘発効果と、1兆3000億ウォンの付加価値、2万6000人の雇用創出を期待しているという。

今回打ち上げが延期となった羅老号は、韓国とロシアが共同開発したロケットだ。しかし、韓国が開発したロケットの2段目は、今回の打ち上げで問題が発生し、皮肉なことにトラブルを起こした部品がフランス製だったことが発覚してしまった。韓国内では「純国産だと思っていたのに嘘つき!」などといった声が上がった。

羅老号の打ち上げが成功しても外国の技術に頼ったロケットでは、半分しか成功したことにならないとの厳しい意見もあるだけに、韓国としては何としてでも純国産ロケットの開発を成し遂げたいようだ。

参照:韓国政策放送
参照:韓国航空宇宙研究院

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