インテルMFヴェスレイ・スナイデルとパリ・サンジェルマン(PSG)のMFハビエル・パストーレが、それぞれのクラブで最高潮にないのは確かだ。

表面上こそ練習で普通の状態だが、スナイデルはクラブとの争いが続いている。両者の関係が穏やかになるか、完全に壊れるかは、これからが決め手となるだろう。一方、パリでパストーレが抱える問題は、表面上はスナイデルのそれよりも深刻ではない。だが、ここまでリーグアン出場10試合で1ゴール、5度の交代というのは、良い時期になりことを示す数字だ。パストーレはサポーターのハートをつかめていない。

では、スナイデルとパストーレのトレードは本当に可能なのだろうか? インテルのマッシモ・モラッティ会長はニューヨークで「君らのアイディアであって、現時点で私は何もその件について知らない」と述べている。

いずれにしても難しい道なのは確かだ。パストーレがセリエA復帰を望んでいるとは限らない。金銭的なこともあるからだ。パストーレは4500万ユーロ(約45億円)でPSGへ移籍した。一方、スナイデルの現在の価格は1500万ユーロ(約15億円)前後だ。スナイデルがレンタルという可能性を受け入れるとも限らない。

ただ、モラッティ会長が分かっているのは、互いに和らげるべき不満があって、それを解決すべきとき、ハードルが少し下がるということだ。FWジャンパオロ・パッツィーニとFWアントニオ・カッサーノの件がその良い例である。

トレードが本当に可能な道かどうかは、待つ必要がある。何より、インテルで何が起きるかを待たなければいけない。スナイデルはフルでトレーニングし、チームメートとのミニゲームにも参加している。練習後にはアンドレア・ストラマッチョーニ監督と長く話もした。

そのストラマッチョーニ監督は、「最終的なテクニカルなチョイスは私だけがする」と何度も明言している。クラブが“いじめ”という批判が広まるような事態につながる振る舞いを避けたいと望んでいるのに対し、スナイデルは早くこの袋小路を抜け出したいと願っている。

クラブは2015年までの契約について、スナイデルと交渉のテーブルにつくことを望んでいる。だが、現時点では壁が立ちふさがっているのだ。マルコ・ブランカTD(テクニカルディレクター)は28日、スナイデルに再び話し合うことを提案した。今のところ、スナイデルはこの提案を聞き入れていない。完全に破たんし、1月に移籍となるのか? これからが決め手となる。