中国メディアは19日、橋下徹大阪市長の「中国、韓国が何を怒っているのか、しっかり過去の戦争を総括すべきだ。恨みを持たれてもしょうがないこともある」、「日本人はアジアの歴史をあまりにも知らな過ぎる」などの発言を報じた。中国ではこれまで、橋下市長が「過去の日本を賛美する右翼政治家」として紹介されてきたため、インターネットユーザーには混乱した反応も見られる。

 橋下市長は19日、市役所で記者の取材に応じ、「日本人はアジアの歴史を知らなすぎる。今の日本の体たらくが、竹島、尖閣の問題に結び付いている」などと発言。「敵を知って己を知らないと、自分の主張を通すことはできない」と、中国や韓国に対抗するために、日本人は歴史を知る必要がある」との考えを示した。

  橋下市長はこれまで日本軍従軍慰安婦制度の強制性を否定するなどで、中国では「過去の日本を賛美する右翼政治家」と認識されている。そのため、「日本は過去の戦争を総括すべき」、「恨みをもたれてもしょうがないこともなる」などの発言で、とまどった中国人もいるようだ。

 中国の大手ポータルサイト網易が掲載した橋下市長の「歴史問題発言」の記事に対する読者コメントでは、「先週の発言とは違うではないか」、「本当かい。日本には大阪が2カ所あって、同じ名前の市長が2人いるのか」などの書き込みがみられる。

 「中国のメディアは中国人をだますんだよ。日本のサイトで、大阪市長の邪悪な挙動を見ればよい」、「正しい歴史理解といっても、われわれの主張する正しい歴史と同じとは限らない」とうがった見方をする人もいる。

 橋下市長については「信用できない。(これまでの)発言は不遜で中国人を蔑視(べっし)している」との書き込みがよせられたが、「人に蔑視されたくなければ、蔑視されないだけの資格がまず必要だ。現在の中国政府(解説参照)と、外国で紹介されている中国人を見てみろよ。これじゃ、差別視されてしまうだろ?」との意見が寄せられた。

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◆解説◆ 同書き込みの筆者は、中国政府を「中国ZF」と表記した。「政府」の中国語ローマ字表記「Zhengfu」の一部つづりを使った。削除されないための対抗策だ。(編集担当:如月隼人)