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前節のボルトン対クイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)の試合で誤審が起きてしまった。開始19分、DFクリント・ヒルのヘディングシュートが、ゴールラインを60cmほど越えたにもかかわらずゴールとして認められなかったのである。テクノロジーが導入されていたなら防止できたであろう線審のミスのせいで、QPRは2−1でボルトンに敗れている。

イングランド代表の試合で辛酸を舐めてきたからか、プレミアリーグはテクノロジー導入を前向きに検討しているが、実現まであと1年ほどかかりそうだ。というのも、FIFAに委託されたスイスの技術調査機関EMPAが昨年秋頃から候補製品のテストを開始、現在「ゴールレフ(Goal Ref)」と「ホークアイ(Hawk-Eye)」の二つに絞り込まれているが、最終テストを3月から6月にかけて行い、7月2日に予定される国際サッカー評議会(IFAB)の会合で承認されなければならないのだ。

ゴールレフはデンマークとドイツの共同開発だが、もともとはハンドボールの判定をめぐる補助として開発されたものだ。ボールにチップを埋め込み、ゴール周辺とゴールラインに磁場を設ける必要がある。ボールがラインを超えると審判にブザーで知らせる仕組みだが、テクノロジー判定の結果が審判のみ知らされるという点が公正ではないとの批判がある。

他方ホークアイは、テニスのグランドスラムなどで使用されるカメラベースのシステムで、ボールの落下地点を見極めるもの。ゴールレフと比較するとシンプルな技術だ。どちらが採用されることになっても、承認日からプレミアリーグ2012-13シーズンの開幕までは47日とスケジュールがタイトなため、全20クラブで新技術のセットアップが完了するのはおそらく不可能だ。また、シーズン途中でプレミアリーグが新技術を導入するとも考えにくく、結果としてゴール判定技術導入まで1年ほど待たなければならなくなる。

アーセナルからローン移籍中のウィンガー宮市亮が先発出場して決勝点をアシストした試合なので、日本においても注目度の高いゲームだったが、英メディアには宮市の活躍以上にアシスタントレフェリーのお粗末なミスの方が取り上げられたのは残念であった。というわけで、私はゴールラインテクノロジー導入に賛成!である。

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