『TIME/タイム』(C)2011 TWENTIETH CENTURY FOX

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 映画『TIME/タイム』の勢いが止まらない。2月17日に全国一斉公開され、事前の予想を覆す程の大ヒットスタートで初登場第1位を記録。2週目に入っても、その勢いは止まらず公開10日間で興行収入は早くも8億円を突破し、観客動員数は66万人を超えた(興行収入:875,388,750円/観客動員数:661,931名 ※2月26日現在)。

 本作は、「時間が通貨」となる世界の物語。全ての人類は25歳で時が止まり、以降は見た目が老いることがない。だが、腕には残り1年の寿命を表した“ボディクロック”が現れ時を刻み始める。人は寿命を通貨のかわりに使用し物を売買。富裕層は何百年という膨大な寿命を持ち、貧民層は日雇い労働でその日を生きる命をつなぐ、まさに「その日暮らし」の生活を強いられる。貧民たちのスラムゾーンに住む主人公の男は、ある日、膨大な寿命を手に入れる。そのことで、時の支配の謎について疑問を持ち始め――。

 よく「全米1位の映画が多い」という話を聞く。それは1週でも1位になれば「全米1位」と表記していること、そして、公開週は1位を取りやすいというカラクリがある。封切り週は、やはり注目が集まるというもの。公開2週目となると、また別な新しい映画が始まるので、動員数はぐっと減る。通常の作品では、公開2週目の週末は前週の週末成績の約50から60パーセント程度に興行収入が落ち込む。しかし、『TIME/タイム』の2週目の週末土日興行収入は、前週比約86パーセントという驚異の記録。前週からたった14パーセントしか落ちていないというこの数値はめったない快挙である。

 若い層を中心とした強力な口コミで動員数をのばす『TIME/タイム』。その快進撃は、どこまで続くのだろうか。

映画『TIME/タイム』 - 作品情報

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