「危機」と「抗議」。インテルのマッシモ・モラッティ会長がほぼ忘れかけていた言葉だ。昨季も若干の兆しがあったが、レオナルド体制での巻き返しで、熱意と将来への信頼は取り戻された。

だが、今年は監督交代が同じ結果をもたらしていない。クラウディオ・ラニエリ監督が就任してから、すでに7敗。ノヴァーラ相手の連敗に、スタジアムの一部は怒り、ブーイングを浴びせている。

明確なターゲットはいない。ただ、多くは監督のいくつかの采配に抗議している。しかし、ジョゼ・モウリーニョ監督以降、入れ替わってきた監督たちは、良い意味でも悪い意味でも、チームの問題と限界に向きあわなければならなかった。

そのため、マーケットで満足できなかったこともあり、抗議の声はより高いところ、つまり首脳陣に向かっている。ノヴァーラ戦のスタンドでは、一部のファンがモラッティ会長に怒りを示した。

もちろん、同会長も現状には満足していない。ただ、少なくともボローニャ戦とチャンピオンズリーグ(CL)のマルセイユ戦までは、どんな決断も下さない方針だ。ただし、モラッティ会長もこの危機を心配しているのは確かである。

13日、モラッティ会長の会社「サラス」のオフィスの下では、3名の女性が抗議の意を表した。うながしたのは、ダニエラさんだ。彼女はフェイスブックで「抗議のために12時に『サラス』の下で会いましょう」と投稿。約束の時間に、別の2人の女性も駆けつけた。

CL出場圏との勝ち点差は6ポイントと広がったが、9敗していることを考えれば、決して大きな数字ではない。1シーズンに9敗というのは、インテルにおいて何年もなかったことだ。昨年も8敗だった。23試合でこれだけの黒星というのは、1946-47シーズン以来だ。このシーズン、インテルは15敗を喫し、10位で終わっている。

コッパ・イタリア準々決勝のナポリ戦で敗れたことも含めれば、数字はさらにひどいものとなる。インテルは公式戦ここ5試合で4敗しており、パレルモと4−4で引き分けたのみ。2試合無得点で、一方の失点は4試合で10ゴールを許している。今季の失点数は30。1試合平均1.3ゴールで、これは1999年以来の悪い数字だ。

1年前と比べ、勝ち点は8ポイント少ない。去年はレオナルド元監督の下でスクデット争いに復帰した。だが今では、最低限の目標すら失う恐れがある。