サッカー早慶戦

2011年6月30日 3時38分

正直あまり観に行きたくなかった。
この試合は客席のテンションが高い。
気持ちが落ちている時に行くとエネルギーを吸い取られる（笑）
でも我が朋友が三人、四人と行くらしい。
早めに行って席を取ってくれる仲間もいた。
取材、分析でなくあくまでも「気分転換」で足を運んだ。

サッカーの早慶戦は野球やサッカーと違って公式戦でない。
大学サッカーは昇格、降格がある。
今はたまたまどちらも一部にいるけど、
早慶にスケジュール作成上の既得権益がない。
だからリーグ戦と別に「定期戦」を組んでいる。

関東大学１部は９試合を消化して中断した。
早稲田が勝点１７で首位。
慶應は勝点１６で３位に位置している。
ほとんど勝点差がない「団子状態」だ。
早稲田は過密日程である。
２５日にリーグ戦第９節。２９日が早慶戦。
来月３日に総理大臣杯１回戦が組まれている。
早慶戦は大事だけど、コンディション的に無理をしたくないだろう。

国立競技場は１万人を超すお客が入った。
テレビカメラが何台か出て、重要なプレーを再生してくれる。
そういう部分は「Ｊリーグレベル」の運営だ。
個人的に経過を確認できて助かった。

早稲田大学ア式蹴球部ＧＫ　１赤堀勇太　４年１９０／７８磐田Y ＤＦ　３菅井順平　３年１７５／６８浦和Y 　　２２福田勝也　３年１８０／７４星稜　　　４畑尾大翔　３年１８３／７４ FC東京U-18 　　１７三竿雄斗　２年１７５／６６東京V･Y ＭＦ　８近藤貴司　１年１６７／５８三菱養和SC･Y 　　　７柿沼貴宏　４年１７２／６７大宮Y 　　　５島田譲　　３年１７４／７２鹿島Y 　　１４白井豪　　３年１６８／５９三鷹ＦＷ１１小井土翔　４年１７３／６９千葉U-18 　　　９富山貴光　３年１８０／７３矢板中央－－－－富山－－－-小井土-－－－－－白井－－－－－－－－近藤－－－－－－－島田－－柿沼－－－－－－三竿－－畑尾－－福田－－菅井－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－赤堀－－－－－－－慶應義塾大学体育会ソッカー部ＧＫ　１中川翔太　４年１７９／７０國學院久我山ＭＦ　２田中奏一　４年１７２／６７ FC東京U-18 　　　５笠松亮太　４年１７８／７１東京V･Y 　　　４松岡淳　　３年１８３／７３慶應湘南藤沢　　　３黄大城　　４年１８５／６５桐生第一ＭＦ　６藤田息吹　３年１７０／６９藤枝東　　１５増田湧介　１年１７０／６８清水東　　１３山浦新　　１年１６８／５９東京V･Y 　　１０河井陽介　４年１６５／５９藤枝東　　　７日髙慶太　４年１７８／６３桐蔭学園ＦＷ　９大塚尚毅　４年１８５／７６滝川二－－－－－－－大塚－－－－－－－－－日髙－－－河井－－－山浦－－－－－－－増田－－藤田－－－－－－黄－－-松岡-－－笠松－－田中－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－中川－－－－－－－

５分、早稲田は島田譲が左足で浮き球フィードを狙う。
白井豪が左サイドを抜け出してエリア内まで切れ込む。
白井は角度のない位置から左足で鋭く打ち抜いた。
＜早稲田大　１－０　慶應義塾大＞

開始早々に試合が動いた。
しかしその後は膠着気味な展開となる。
どちらも如何せんボールが動かない。
前線にボールが収まらなければ決定機は生まれない。
特に慶應は１トップの大塚がいい形で受けられず、
前半３０分過ぎまでシュートが一本もなかった。

２９分、慶應は藤田息吹に警告。

３７分、慶應は藤田息吹に警告。
島田譲に対するラフなタックルだった。
藤田は２枚目のイエローで退場となってしまう。

藤田息吹は昨年のＵ-１９日本代表。
２５日の神奈川大戦では２得点を挙げ、逆転勝利の立役者となった。
でも今日はチームを窮地へ追い込んでしまうことに…。
慶應の布陣がこう↓－－－－－－－大塚－－－－－－－－－河井－－－－－－－－山浦－－－－－－－日髙－－増田－－－－－－黄－－-松岡-－－笠松－－田中－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－中川－－－－－－－

１－０のまま試合が折り返しとなる。
早稲田は１点リードでしかも一人多い。
普通に考えれば「楽な試合」である。

４５分、早稲田は白井豪→山中真。富山貴光→榎本光希。
こういう布陣になる↓－－－－榎本－－－-小井土-－－－－－柿沼－－－－－－－－近藤－－－－－－－島田－－山中－－－－－－三竿－－畑尾－－福田－－菅井－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－赤堀－－－－－－－

早稲田は負傷明けの山中真主将を起用する。
ただ明らかにトップフォームではなかった。
ステップ、反転が滑らかじゃない。
自滅気味のボールロストも２つ３つあった。

５０分、早稲田は近藤貴司が右サイドから仕掛ける。
近藤は榎本光希とのワンツーからエリア右に抜け出してシュート。枠外。

慶應はいい意味で開き直った。
前からガンガンプレスに来る。
サイドバックを上げて攻撃に人を掛けてくる。
「リスク」を冒して点を奪いに来ていた。
早稲田は空いたところにボールを運べばいい。
相手が一人少ないなら、どこかに「穴」が空く。
手堅く落ち着いた試合運びをすればよかった。
しかし慶應の「勢い」に飲まれてしまう…。

５２分、慶應は大塚尚毅が前線で島田譲に詰めてボールを奪う。
大塚は縦にボールを運ぶもＤＦに寄せられてボールを弾かれる。
しかし慶應は増田湧介が後方をサポート。
増田はセカンドボールに反応して右足ミドルを流し込んだ。
＜慶應義塾大　１－１　早稲田大＞

５９分、慶應は笠松亮太？が右に鋭くサイドチェンジ。
田中奏一が裏のスペースに抜け出す。
ヘディングでボールを中に落とし、エリア右までえぐる。
田中のコントロールは乱れたけどＤＦのクリアも小さい。
黄大城がゴール前でこぼれ球を拾い、きっちり流し込んだ。
＜慶應義塾大　２－１　早稲田大＞
慶應は右ＳＢがチャンスメイクして、左ＳＢが決めた！
勇敢に「リスクを取っていた」証明である。

６３分、早稲田は近藤貴司→奥井諒。
奥井はＵ-１７Ｗ杯に出場したＭＦ。
酒井宏樹を凌いでメンバーに選ばれた選手である。

早稲田は攻撃のテンポが上がらない。
攻守にバランスのいい、無駄が少ないサッカーだ。
ただ「能動的に崩す」部分がどうも物足りない。
相手を振り切る精度と速さ、緩急がなかった。
だから数的な有利を生かせない。

６６分、慶應は山浦新→香川裕介。
７８分、慶應は大塚尚毅→武藤嘉紀。
武藤が１トップに入る。怪我は大丈夫かな？

慶應の布陣がこう↓－－－－－－－武藤－－－－－－－－－河井－－－－－－－－田中－－－－－－－日髙－－増田－－－－－－黄－－-松岡-－－笠松－－香川－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－中川－－－－－－－

７９分、早稲田は小井土翔→佐々木絢也。
早稲田の最終布陣がこう↓－－－-佐々木-－－－榎本－－－－－－奥井－－－－－－－－柿沼－－－－－－－島田－－山中－－－－－－三竿－－畑尾－－福田－－菅井－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－赤堀－－－－－－－

８６分、慶應は日髙慶太→松田健佑。

アディショナルタイムの提示は４分。
早稲田は畑尾大翔を前線に上げてパワープレーに出る。

９１分、早稲田は最終ラインからロングボールを入れる。
畑尾大翔はエリア右でヘッドに競り勝つ。
島田譲がこぼれ球に反応してエリア右からシュートを狙った。
しかしＧＫ中川翔太が至近距離からブロック。

９２分、慶應は田中奏一→松下純土。
慶應の最終布陣がこう↓－－－－－－－松田－－－－－－－－－武藤－－－－－－－－松下－－－－－－－河井－－増田－－－－－－黄－－-松岡-－－笠松－－香川－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－中川－－－－－－－

９３分、早稲田は三竿雄斗に警告。
感情的になってボールを地面へ叩きつけてしまった。

そのままタイムアップ。
１０人で６０分を戦った慶應の逆転勝利である。
２－１で早稲田を下し、早慶戦３連勝を達成した。

最近のＪリーグを見ても、
「１０人になったチームの好パフォーマンス」は珍しくない。
開き直り、攻守で前に出る勇気がチームに好循環を与える。
サッカーはつくづく「メンタルなスポーツ」だと思った。
早稲田はかなり痛い敗戦。勝てる試合を落とした。
普通に負けたより精神的ダメージは大きいんじゃないかな？
総理大臣杯１回戦まで中３日。どこまで建て直せるか不安です。

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