日本で起きた地震は短期的には世界経済にマイナスの影響を与えるが、中国網日本語版(チャイナネット)は「長期的には中国の農業、漁業、自動車産業、家電産業のチャンスとなる可能性がある」と報じた。

 ▼輸出の割合が増加

 業界関係者によると、中国の白物家電には整ったサプライチェーンがあるため、生産力でほとんど日本企業の影響を受けることはないと指摘する。日本の震災復興によって家電需要が高まり、中国の家電メーカーの輸出につながると予想される。日本の大地震は中国の白物家電企業にプラスの影響を与えるだろう。

 ▼海外市場を譲るか

 中国の大手家電メーカー・美的電器の方洪波董事長は記者の取材に次のようにコメントした。公開データによると、2010年の中国の対日輸出は、エアコン564万台(13%)、冷蔵庫183万台(13%)、洗濯機272万台(16%)だったが、2011年にはこの数字が大きく変化するだろう。

 しかし、受注件数が一気に増加することはないとし、その理由として、日本は相対的に閉鎖的な市場で、中国や欧米、韓国などの海外ブランドが市場に進出するのはなかなか難しい、と方氏は語る。

 注目したいのは、地震による影響から日本メーカーが海外市場、特に新興市場でのシェアを中国企業に譲る可能性があることだ。家電インターネット通販を手がける庫巴網の王治全CEOは、日本の震災復興が進み、日本の家電輸出が短期的に難しくなるにつれ、近い将来、中国を含むアジアの家電製品輸出の割合がいっそう拡大すると話す。

 美的、志高などのメーカーは東南アジアに強い日本製品が困難に直面していることから、新興市場に対する発展計画を見直し、自主ブランドの輸出を拡大するべきかどうか検討している。

 今回の件で、直接の受注件数が一気に増えることはないだろうが、マクロ面の産業移転にとっては大きなチャンスになるとみられている。家電分野のコンサルタントである羅清啓氏は、「震災後の一連の問題で日本、さらには世界が日本の経済環境の脆弱(ぜいじゃく)さと危険性を認識した。日本の電子産業の地位に代わる国は、世界を見渡しても中国しかない」と主張した。(編集担当:米原裕子)



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