尖閣諸島(中国名:釣魚島)沖で、海上保安庁の巡視船が衝突した事件で、中国人船長の10日間の拘留延長を受けて、中国政府は19日、日中間の閣僚級交流の停止措置をとることなどを明らかにした。

 アジア情勢に詳しい米国のブログ「zoneasia.blogspot.com」では、尖閣諸島における中国側の怒りはまだ続いているとつづっている。この衝突事件で拘留されている中国人船長(41)を釈放しなければ、中国側は強烈な対抗措置をとると警告していると説明。

 筆者は、尖閣諸島付近の地下には天然のガス田があることを忘れてはならないとし、この論争はさらに激化するだろうと見ている。日中の外交的手腕では、この論議を解決できそうにないとの見方を示している。

 解決方法のひとつとして、国家間の紛争を処理するための国連の機関である、国際司法裁判所で審理してもらう可能性について示唆している。

 尖閣諸島は、日清戦争中の1895年から日本が領有しており、国際的にも日本の領土として認められているが、中国も領有権を主張している。第二次世界大戦後は一時、米国の管理下に置かれたものの、1972年には沖縄県の一部として日本に返還された。

 中国にとって尖閣諸島は台湾の領土であり、中国に属していると主張しているが、問題はそこにあると筆者は指摘している。中国と台湾は、双方ともが中国の正統政府を主張しており、国際的にも中華人民共和国(中国)と中華民国(台湾)という「2つの中国」が存在していると状況を解説。

 筆者は、国際司法裁判で公判中に、台湾が中国とは別の国として、領有権を主張する可能性があり、もし台湾が中国の一部ではないと国際司法裁判所で判決が下されれば、中国は尖閣諸島と台湾の両方を失うと指摘している。

 もちろん、判決を拒否することもできるが、中国は国際的な信頼を失うことになる。筆者の見方によれば、中国側は、台湾も魚釣島も失う事態は避けたいとし、日本が中国のけん制に抗議するために、現在すべきことは、国際司法裁判所に訴えると警告することだと述べている。

 しかし一方で筆者は、日本はこの手段を選ばないだろうとみている。日本人は訴訟が好きではないとし、訴訟によって解決することよりも、より平和的な解決を望むだろうと推測。我々も事の成り行きを見守り、できればこの論争が平和的に解決されることを期待すると締めくくっている。(編集担当:田島波留・山口幸治)



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