韓国映画の監督、「東海」を「日本海」と表記し、韓国でバッシングを受け謝罪
朝鮮戦争をテーマにした韓国映画『砲火の中へ』の製作陣が2日、日本海の表記をめぐり、公式に謝罪コメントを発表した。複数の韓国のメディアが、この話題を取り上げている。
問題となったのは、米スタンフォード大学で5月27日に行われた試写会で上映された英語版。この序盤のタイトル部分に登場する世界地図の英文表記が、「East Sea(東海)」ではなく「Sea of Japan(日本海)」と表記していたことが発端となり、韓国内で議論を呼んでいた。
また、同大学での試写会の後、イ・ジェハン監督はこれらの指摘について、映画の内容ではなく、一般的な表記問題と説明。「13歳のときに、私は米国の学校に通っていた。その時に歴史の本で初めて日本海の表記を見た。韓国から持って来た教科書には東海となっていたので、どうしてだろう?と気にはなっていた」と英語で答えた。
しかし、これが「(間違った表記に対して)重要に思ってはいない」と発言したとされ、韓国内では監督に対してバッシングが起こっていたという。
製作スタッフはコメントを通じ、「問題を発見して『EAST SEA』と修正したが、すでに米国に送られた映像にこれを反映するには物理的に不可能だった。やむをえず米国では未修正の映像を上映した」と釈明している。
「国際的な行事で、このような重要な問題に真摯(しんし)に対処できなかった点を深く頭を下げて謝罪し、その責任を心より受け止める」と明らかにしている。
監督の発言に関しては「事実誤認であり、そのような発言はなかった。この問題に関してこれ以上の誤解はないように願う」との見解を示している。
今年は、朝鮮戦争勃発から60年目にあたる。この映画は、クォン・サンウとBIG BANGのT.O.Pが主演し、朝鮮戦時中に起こった学徒兵71名と北朝鮮軍の戦闘をテーマに、制作費113億ウォン(約10億円)を投入して制作された。
イ・ジェハン監督は『私の頭の中の消しゴム』を手がけたことで知られる。韓国で6月17日に公開の予定だが、日本での公開は未定。(編集担当:李信恵・山口幸治)
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