24日のミラノダービーで2−0と勝利を収め、試合後にミランのオーナーでイタリアの首相でもあるシルヴィオ・ベルルスコーニ氏のゴム製マスクをかぶり、勝利を祝ったインテルDFマルコ・マテラッツィ。同選手は25日、自身のサイト上で、自らの行動を批判する声に対して次のように答えた。

「いつものように、マテラッツィがやることは議論を呼ぶ。オレが昨日の勝利を祝うときにつけた、どこででも売っているようなカーニバルのマスクについてもね。ちょっとしたダービーの楽しみであって、それ以上のことじゃない」

「騒動を起こす意図はないし、誰かを侮辱したかったわけでもない。もちろん、政治的なことでもないよ。オレのことをよく知っている人なら分かっているはずだけど、オレは政治の世界に入りたいなんて思ったことがないからな。だからこそ、ミランのオーナーとして、そして何より素晴らしい自嘲精神を持っているベルルスコーニ氏が、オレのことを笑って見ていたと確信しているよ」

「冗談として気に入ってもらい、侮辱として受け止められないことを願っている。誰かのことをからかいたかったわけじゃないからね。実際、オレはオレたちのサポーターがいるゴール裏へ行った。ミランの選手やミランのサポーターと接触しないようにね。ダービーに勝ったことを祝うためだった。それだけのことさ」

だが、マテラッツィがマスクを使ったことは報告書に記されており、FIGC(イタリアサッカー連盟)の検察官がスポーツ裁判へ回すこととなった。ジャンパオロ・トゼル氏がマテラッツィを処分するかどうか決定することになる。

一方、インテルファンとして有名なイニャツィオ・ラ・ルッサ防衛大臣はマテラッツィの行動について、「ベルルスコーニ氏とマテラッツィがコンタクトをとれるように連絡する。電話ででも、選手は謝罪を、内閣総理大臣を侮辱するつもりではなかったことを説明すべきだ」とコメント。さらに次のように続けた。

「マテラッツィは悪ふざけが好きで、スポーツとこういうことをするのが大好きなんだ。2006年のドイツワールドカップで、長い帽子をかぶっていたのも思い出すね。だが、ベルルスコーニ氏は内閣総理大臣なんだ。だからこそ、彼の行為は悪用されかねない。これからマテラッツィに連絡し、ベルルスコーニ首相に電話をするように伝えるよ。そもそも、選手が会長に怒るところなんて見たことがない。マテラッツィは自分のやったことを軽く見ていると思う」