米倉涼子さんや佐藤江梨子さんなど数々の有名女優との交際を報じられてきた歌舞伎俳優の市川海老蔵さんが、ついに結婚することになった。新春歌舞伎の発表会見には多数の芸能レポーターが詰めかけて質問攻めにしたが、海老蔵さんも反撃。「よく考えて(恋愛中の芸能人を)取材してあげないと、人を傷つけてしまうこともある」と芸能マスコミを批判したのだ。

   テレビやスポーツ紙ではほとんど報じられていない「海老蔵のマスコミ批判」が飛び出したのは、2009年11月25日に都内で開かれた「新橋演舞場 初春花形歌舞伎」の製作発表の場だ。タレントの小林麻央さんと近日中に婚約するとあって、約100人の報道陣が海老蔵さんを待ち構えた。まず公演について質疑応答があったあとで、麻央さんとの交際についての質問タイムとなった。

「よく考えて取材しないと、人を傷つけてしまう」

   今回に限っては交際報道がされなかったことについて、海老蔵さんは

「みなさんのおかげで、私も勉強というものをしまして……」

と過去の経験を通した「学習効果」を強調。さらに「この場を借りて言うのもおかしいんですけど」と前置きしながら、目の前の芸能レポーターに対して批判的な言葉を口にした。

「いろんな恋愛をしている方がいると思うんですが、有名な分、表ざたになっちゃう場合があるじゃないですか。そうすると、叶うはずの恋も叶わなくなってしまうこともある。みなさんもよく考えて取材をしてあげないと、本当に人を傷つけてしまうこともあると思う。カップルをスッパ抜くにしても、うまいことスッパ抜いてあげないと……」

海老蔵さんの言葉使いは丁寧で、口調も柔らかかったが、その目は真剣だった。「みなさんもよく考えて……」というくだりでは会場から笑い声が起こったが、海老蔵さんは笑わない。ときおり目を大きく見開きながら、レポーターたちに向かって一語一語かんでふくめるように語りかけた。

山城新伍の名言「見つかったらタレントの負け」

   「カップルをスッパ抜くにしても、うまいことスッパ抜いてあげて」。そう要望する海老蔵さんだが、芸能マスコミの側はどう考えているのか。「そんなのは、全然無理ですよ!」とキッパリ否定するのは、芸能レポーターの梨元勝さんだ。

「芸能人は公の中で生きている公人で、伝えられてなんぼの世界にいる。今回の会見も、新春歌舞伎のことをマスコミに伝えてもらうという思惑があってのこと。自分だけ都合のいいようにしたいというのは、無理な相談ですね」

マスコミに進行中の恋愛をスッパ抜かれると「叶うはずの恋も叶わなくなってしまう」という海老蔵さんの主張についても、梨元さんは、

「交際報道があったおかげで、かえって結婚が早まった人だっている。たとえば、いまの尾上菊五郎も藤純子との交際を週刊明星にスクープされて、すぐに結婚発表になった。今回のケースもそうじゃないですか。そういう意味では役にも立っている」

と反論する。そして、「彼もそんな事情を分かっているから、強く批判しているわけではないのだろう」と海老蔵さんの気持ちをくみとりながら、次のようなアドバイスを投げかけた。

「芸能マスコミとの付き合い方について、(09年8月に亡くなった)山城新伍は『見つかったらタレントの負け、見つけられなかったらタレントの勝ち』という名言を残している。それぐらいの余裕をもって、これからも堂々と交際すればいいんですよ」

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