新型インフルエンザの問題で、大阪府と兵庫県は2009年5月18日から小中高の全面的な休校に踏み切っているが、休校になった高校生達がカラオケ店に押しかけ、行列を作るなどして問題になっている。ネットではこうした高校生に対するバッシングが起こっているが、遊びに行った高校生からは「暇でしょうがない」「学校で感染した人はいないのに、自宅待機は理不尽」など不満も出ている。

「遊びに出歩いたら感染者の数が膨れ上がるじゃないか」

   厚生労働省などによると、2009年5月18日午後1時時点で、国内で確認された感染者は計163人。うち大阪府が70人、兵庫県が93人と、この2地域に集中している。感染は18歳以下が多く、学校間のスポーツイベント等で感染が広がっている可能性があるため、09年5月18日から一週間、幼稚園、小中高、大学の休校が始まった。文部科学省のまとめによると、18日午後5時で休校を決めた学校や、府や県から休校の要請を受けたのは大阪府1901校、兵庫県は2142校の計4043校。

   休校で何が起こったかといえば、カラオケ店に並ぶ高校生達の行列だった。「家にいてもやることがない」と、店には朝から普段の数倍の客が押し寄せたのだ。カラオケ店にとって客が増えるのは有り難いことなのだが、状況が状況のため、入店を断る店も現れた。関西圏で94店舗を展開する「ジャンボカラオケ広場」は、ホームページトップと店頭に、

「休校が実施されている生徒様の入店をご遠慮いただいております」

と告知。学生証の提示を求め休校中の学校に該当すれば入店を断っている。

   「ビッグエコー」を展開する第一興商も18日から入店の際の学生証の確認を始めた。

   ネットの掲示板やブログではこうした高校生に対し、

「遊びに出歩いたら感染者の数が膨れ上がるじゃないか」
「たった一週間、自宅待機ができないなんて同じ高校生として恥ずかしい」

などと非難が集中している。

「不必要な外出は控えるように」と学校が「通達」

   一方、遊びに出た高校生達にも一応の言い分はあるようだ。ケータイのSNS「モバゲータウン」の「みんなのニュース日記」には、高校生と思われる人達の反論も出ている。

「あまりにも暇だぞ。自分の学校で感染者が出たわけでもないし、こっちは(インフルエンザ休校の代わりに)夏休みを削られるんだぞ」
「同じレジャーでも、社会人は『○』で学生は『×』という。これは差別としか言いようがない」
「(遊びに行けないのなら)学校行きたい。だって、どうせ補習で夏休みが減るんだから」

   こうした生徒達の行動に、学校現場では対応に追われているようだ。大阪の北野高校は09年5月19日、学校のホームページトップで

「24日(日)まで、臨時休校になっています。不必要な外出は控えてください」

と改めて注意を呼び掛け、生徒のいる家庭に連絡網を使って「不必要な外出は控えるように」と「通達」した。

   他の高校も「休校中は、不要不急の外出を控えてください。家庭学習をすすめてください」とホームページで呼び掛けている。大阪市教育委員会によれば、小中高の休校は09年5月24日までだが、感染者がさらに増えた場合は休校期間を延長することもあるという。

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