ユベントスの元ボスニア・ヘルツェゴビナ代表MFハサン・サリハミジッチ(32)がガゼッタ・デッロ・スポルト紙のインタビューに応じ、内乱により混乱する母国から若干15歳でドイツに渡り、ハンブルガーSVでプロデビュー。ドイツの名門バイエルン・ミュンヘンで9年間プレーしたのち、07年からユベントスの一員となったサリハミジッチが、これまでの歩みを振り返った。

−国内リーグ戦セリエAでは、首位インテルとは「7」ポイント差の2位だが、逆転優勝を信じているか?
「最終的な順位を語るにはまだ早すぎる。例えば残り10試合で「30」ポイントを稼ぐことが出来れば、可能性はあると言える。しかし、現実的に10戦全勝は難しい。今は1試合1試合勝利を目指して戦っていくつもりだ。残り2試合となった段階で、優勝の行方について改めて語るよ。バイエルン時代には最終節で優勝を決めたことが2度あった。2001年は終了間際の得点により優勝を手に入れた」

−14日のボローニャ戦(セリエA第28節4−1勝利)では1得点2アシストの大活躍だった。
「欧州CL敗退直後の試合であり、サポーターや対戦相手に対して、我々が立ち直っていることを証明する必要があった」

−21日のASローマ戦(セリエA第29節)は、優勝を狙うためか、あるいは3位ACミランとの差を広げることのどちらに比重を置くのか?
「3ポイント獲得のために戦う。この試合には2倍の価値があるはずだ」

−スパレッティ(ASローマ監督)とモウリーニョ(インテル監督)では、どちらに好感を抱いているか?
「いずれも偉大なプロフェッショナルであり、偉大な監督だ。ただ、テレビのインタビューを通してしか彼らのことは知らない」

−イブラヒモビッチ(インテルFW)とアマウリ(ユーベFW)ではどちらが偉大か?
「素晴らしい質問だよ。アマウリのことはチームメートということもあり、間近で見ているが、欠けている点は一つもない。ドリブル、ヘディング、スピード、自己犠牲…。全てにおいて完璧だ。一方、イブラはここ数年、チームに欠かせない唯一無二の存在になっている。インテルは彼の調子次第だ」

−アマウリは、母国ブラジル代表か(イタリア市民権獲得後の)イタリア代表かの選択で悩んでいる。
「自分は母国を捨てようと考えたことはない。18歳でボスニア代表としてデビューした。(若くして移った)ドイツからも声がかかったが、やはりボスニアを選択した。アマウリはプロフェッショナルであり、代表選択問題が原因でスランプに陥っているわけではない。今はユーベのために全力で戦っている」

−欧州CL決勝トーナメント1回戦チェルシー戦での反省は。敵地での第1レグは0−1、ホームでの第2レグは2−2だったが。
「アウェーで1点でも挙げていれば、かなり優位に展開することができたはずだった。ホームの第2レグでは1−0でリードした状態をできるだけ長くキープする必要があった。そうすることでチェルシーにプレッシャーを掛けることができたが…。来季への課題にしたい。ユーベは2年前にはセリエBで戦っており、そう考えるとチームの成長には目を見張るものがある。昨季を3位で終えることが出来たし、今季は今のところ2位をキープしている。来季はきっと…1位だ。ユーベには優秀な若手が多く、団結力もあり、成長を続けている」

−ベテランのMFネドベドが引退を表明している。クラブ側は彼の慰留に動く方針だが。
「彼の引退を願っている選手はいない。彼は偉大なプロフェッショナルであり、フィジカルも完璧だ。引退は信じられない」