TBSのサイトには、現在でも秋山選手の写真が掲載されている

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   「ヌルヌル事件」で無期限出場停止処分の秋山成勲選手(31)が、2007年9月17日に行われるTBS主催の格闘技イベント「HERO'S」から復帰する可能性が出てきたという。同イベントの前田日明スーパーバイザーが07年7月2日の記者会見で、「もうそろそろ復帰させてもいいのではないか」と処分解除の発言をしたからだ。一方で「K-1」の興行会社でイベントをTBSと共同主催するFEGは秋山選手復帰に慎重姿勢だとされている。秋山選手復帰は、TBSとFEGとのせめぎ合いになっているという説も出ている。

早ければ07年9月17日からの参戦??

   07年7月2日の記者会見は、07年7月16日に行われる「HERO'Sミドル級トーナメント開幕戦」対戦カード発表のために開かれたものだったが、会見の席上で前田スーパーバイザーがいきなり、「もう(秋山選手の復帰の)チャンスを与えても良いのではないか」と発言したことで流れが変わっていく。

   スポーツ各紙によると、復帰を提案した理由として、ルールの細部をはっきりさせていなかった主催者側にも問題があり、罰を受けた人間が悔い改めたなら、許してやることも必要で、「そろそろいいんじゃないか」ということのようだ。そして復帰の時期については、7月大会への出場は無理にしても、年内には国内、もしくは海外でチャンスを与えてやってもいい、とした。

   つまり、早ければ07年9月17日の「HERO'S」からの参戦も視野に入れているわけだ。実は、秋山選手の復帰についてはJ-CASTニュースが07年3月13日付けで「ヌルヌル秋山の処分変わらず 『7月復帰なし』を主催者側明言」で報じたように、07年7月16日の「HERO'S」での復帰が囁かれていた。

   これは、ルール改正により、出場停止期間が「無期限」から「6カ月以上」に 変更されたため、秋山選手の反省やその後の精進がファンやスポンサーに認められれば、最短で07年7月予定の「HERO'S」での復帰 が濃厚だと、デーリースポーツが報じたためだ。この報道について、主催者の FEGJ-CASTニュースに対し、

「あれだけのことをしたのだから、無期限出場停止処分ということに変わりはない」

と、復帰するとしてもかなり先の話しだと強調した。

   これはあくまで07年3月時点での FEGのコメントだが、FEGの秋山選手に対する姿勢は現時点でもさほど変化が無いようにも取れる。今回の記者会見にはFEGの谷川貞治代表取締役も出席していて、前田スーパーバイザーの提案に対し、秋山選手の重要性は認めているものの、

「ただし桜庭選手の気持ちも大事。ファンやスポンサーの理解が得られれば復帰させたい」(スポーツ報知07年7月3日付け)
「(秋山選手の階級のトーナメント試合)7月のライトヘビー級は見送ります。9月実施を目指しますが、今年の開催見送りもあり得ます」(日刊スポーツ同日付け)

と、復帰に慎重なばかりか、年内に秋山選手の階級のトーナメント試合を開催しない可能性まで触れているのだ。

騒動から半年以上経ってもバッシング

   FEGが復帰に慎重になる理由は、「ヌルヌル事件」が起きて半年以上経った現在でも秋山選手へのバッシングは続いていて、さらに、J-CASTニュースが「『ヌルヌル』」秋山騒動収束せず『追及』サイト登場、スポンサー撤退」(07年2月17日付け)などで報じたように、この事件をきっかけにスポンサーを降りる企業が出ている。安易に復帰させればバッシングが再燃し、スポンサー離れがまた起きかねない。

   つまり、暫くは様子見を続けたいということなのだろう。ただし、一方の主催者のTBSは今でも無期限出場停止処分となった秋山選手の写真をホームページに掲載。前田スーパーバイザーはTBS寄りとも言われている。実際のところ、この両社は秋山選手の復帰についてどう考えているのか。 FEG にコメントを求めたところ、

「担当者は韓国に出かけていて不在です」

と答えた。TBSに話を聞こうとしたら同社広報は、

「(秋山選手について)把握していないし、J-CASTさんには一切お答えしないことになっています」

と、珍しく「把握していない」というコメントを、もらうことができた。