勝ち越しの19号3ランを放った大谷翔平【写真:Getty Images】

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日本人1年目の最多本塁打記録を更新、13打数で1本の本塁打を放つ計算

 米大リーグのエンゼルス大谷翔平投手は7日(日本時間8日)の敵地ホワイトソックス戦に「5番・DH」でスタメン出場。3回の第2打席に勝ち越しの19号3ランを放ち、2006年の城島健司(マリナーズ)が持つMLB1年目の日本人選手の最多本塁打記録を更新したが、特筆すべきはその本塁打率の高さだ。249打数で19本塁打に到達。本塁打率(1本塁打にかかる打数)は「13.10」。506打数で18本塁打の城島の「28.11」を大きく上回っている。倍以上のスピードで記録を更新したこととなる。

 この当たりであそこまで運ぶのか――。もはや左腕も大谷の障壁にはならないようだ。1-1の3回1死一、二塁で迎えた第2打席だった。サウスポー・ロドンが投じた2ボールからの94マイル(約151キロ)のインハイ直球を中堅やや右に運ぶ勝ち越しの19号3ラン。やや詰まり気味で、決して完璧な当たりではないように思えたが、打球はぐんぐん伸びて、中堅手の差し出したグラブごと、ぎりぎりでスタンドに飛び込んだ。

 大谷にとって3試合連続弾は現地時間の4月3、4、6日以来、今季2度目。今月4日(日本時間5日)の敵地レンジャーズ戦で左腕からの1号となる16号弾。5日(同6日)の敵地レンジャーズ戦では、新たな右肘靭帯損傷が発覚した直後のスタメン出場だったが、その影響をみじんも感じさせず2本塁打を含む4安打と大暴れ。ここ3試合で4発と量産し、大台の20発にも王手をかけた。

野手専念なら38発!? 本塁打王争いを展開していた可能性も

 2003年の松井秀喜(ヤンキース)の16本を更新し、城島の記録に並んだのが5日のレンジャーズ戦。リーチ一発で記録を更新したが、驚異的なのはそのスピード。本塁打率「13.10」は1年目のゴジラの「38.93」(623打数で16本塁打)、城島の「28.11」をはるかに凌駕する。

 もし大谷がここまで打者に専念しほぼフル出場し、約500打数に立っていたと仮定したなら……。現在の倍、38本塁打前後を記録していた計算になる。リーグ本塁打王がアスレチックスのクリス・デービスの40本塁打(日本時間7日現在)。本塁打王争いを演じていた可能性もあるのだ。

 もちろん、打者に専念していても怪我をしていたかもしれない。DHのため、交流戦での出番の問題などもある。だが、こんな想像をしたくなるほどの結果を大谷は残し続けている。(THE ANSWER編集部)