多くの女性が、小さな頃から“いつか、なりたい”と夢見るもの。

それが、花嫁だ。

結婚式は、一生に一度だけ。ならば、最高の1日を送りたい。そう願うのは、女であれば当然のこと。

しかし常に気になるのが、「結婚式」そのたった1日に、東京のカップルたちは一体どれくらいお金をかけるのか?

人には聞けない、だけど知りたい。“理想の結婚”を形にした勝ち組花嫁たちの、結婚式明細のリアルに迫る。




【今週の花嫁】
名前:レイナさん(32歳)
職業:化粧品会社マーケティング部門勤務
住まい:港区
結婚式会場:ザ・リッツ・カールトン東京
招待客人数:105名


ホテルウエディングの最高峰「リッツ・カールトン」での結婚式


私たち日本人にとって、王道の結婚式スタイルといえば、やはりホテルウエディングが最初に思い浮かぶ。90年代以降、外資系ラグジュアリーホテルが次々と日本に進出を果たし、今では外資系ホテルにおけるウエディングはすっかり定番化した。

そして、東京に数多く立ち並ぶ外資系ラグジュアリーホテルの中でも屈指のブランド力を誇るといわれるのが、リッツ・カールトンだ。

一生に一度だからこそ、“リッツ”で挙式ができたなら…。そんな憧れを抱くプレ花嫁も少なくはないかもしれない。

今回紹介するのは、六本木の「ザ・リッツ・カールトン東京」でのウエディングを形にした女性、レイナさんだ。



ブライズメイド役の親友たち

挙式披露宴にかかった総額は、900万円


大手化粧品会社のマーケティング部門で働いているというレイナさんは、化粧品ブランドのイメージ通りの美人。メイクだけでなくファッションも華やかで、高級感が漂っている。

ご主人は一つ年上で、金融セールスマン。二人は中学、高校、大学が全て同じ学校だったとか。知り合ったのは卒業後だが、10年来同じ学校に通っていたということで出会ったその日からお互いに親近感を抱き、惹かれあったそうだ。

二人の写真を見せてもらうと、絵に描いたような美男美女。そんな洗練された雰囲気の二人だからこそ、多くの女性が憧れるリッツ・カールトンでの結婚式を挙げたと聞いて納得だ。

やはり気になるのは、“リッツ婚”には一体いくらくらいの費用がかかるのか、ということ。レイナさんにご自身の結婚式でかかった総額を尋ねると、その答えは「900万円」。

彼女は一体、どんな式を挙げたのだろうか。話を聞かせてもらった。


東京プレ花嫁たちの憧れ、リッツ婚。そのリアル明細を公開。



披露宴会場は、ザ・リッツ・カールトン東京内グランドボールルーム

装花費用総額は60万円


挙式の時期や、招待客の人数によっても大きく変動する結婚式費用。

レイナさんが式を挙げたのは、ジューンブライドの6月、大安にあたる土曜日だ。ゲスト人数は100名強。

数ある結婚式会場の中で、リッツ・カールトンを選んだ理由とは?

「30歳を過ぎてからの披露宴だったので、ゲストも“大人”な方が多く、サービス面で安心な外資系ホテルにしたいと思っていました。来て頂く方にはお食事を楽しんで頂きたいという気持ちが強くあったので、リッツのお料理が決め手となりました。また、会場の高級感や重厚感も気に入ったポイントです」

そう言って、レイナさんはニッコリとほほ笑む。

披露宴会場となったバンケットの写真を見せてもらうと、高級感漂うテーブルコーディネートに、ホワイト×グリーンの装花が見事に映え、会場全体の統一感が美しい。

装花の良し悪しは会場全体のイメージを決めると言われるが、「お花の色で下手なイメージをつけたくなかった」と語るレイナさん。装花全体にかかった費用は60万円ほどだ。



シンプルな色遣いの装花がスタイリッシュ


そしてリッツ婚と聞くと、てっきり相当ゴージャスな演出をしたのではないかと勝手に想像してしまうが、その答えは意外なものだった。

「うーん、特に大きな演出に時間を割いてはいないんです。なるべくゲストとの交流時間を確保したいという思いが強かったので…。チャペルでの挙式の際に、高校時代の親友たちにブライズメイドをやってもらいましたが、披露宴での余興なども特には企画しませんでした」

強いて何か演出をしたと言えば…と言って彼女が話してくれたのは、専門業者に外注したプロフィールビデオ制作と、お色直し入場の際のショーライトの演出くらい、と控えめな回答。

ショーライトの演出は、ゲストたちをあっと驚かせるサプライズとして盛り込んだ。演出にかかった費用は、1分ほどの入場シーンで10万円弱。

「暗くした会場でシルク・ドゥ・ソレイユ風の音楽に合わせてショーライトが数分間点滅し、入場を盛り上げるようなもの。おそらく新郎新婦の記憶にしか残っていないかもしれませんが(笑)」



ショーライトの演出で会場は盛り上がった

リッツ婚の強み、それは“料理”。飲食費用総額は300万円


演出に時間を使わなかった分、ゲストと笑って過ごせる時間に重点を置いた。結婚式の定番プログラムのひとつである、両親への感謝の手紙も読み上げなかったのは、涙、涙の演出よりも、笑顔でいられる内容にこだわったから。

また、演出を詰め込まなかった理由のひとつが、披露宴の最中もゆっくりと食事を楽しんでもらう時間をつくりたかったから、と語るレイナさん。実際、内容でも費用面でも、最もこだわったポイントが料理だそうだ。



ゲストが口々に「お料理が本当に美味しかった」と言ってくれたそう


もともとリッツ・カールトンは料理で定評があるといわれるが、レイナさん夫婦はゲストの年齢層を考慮し、量よりも質を重視して通常のコースよりもアップグレードを選択。その結果、ゲストひとりあたりの飲食費用単価は28,000円。

一般的にホテルウエディングの飲食費用は一人当たり20,000円前後が相場といわれている中、この金額からも二人のおもてなし精神がうかがい知れる。



デザートは、アイスの入ったホワイトチョコ「ブールドネージュ」のサプライズ

気になるウエディングドレスにかかった金額は…?



5段のウエディングケーキ

5段ウエディングケーキは20万円


料理の味だけでなく、提供のタイミングなど、ホテルのサービスレベルにも満足したというレイナさん。そこはやはり一流ホテルならではだろう。

「式の後に、ゲストの方たちから口々に“お料理が本当に美味しかった!”とお声掛け頂けたのはうれしかったです。と同時に、こちらの想定していた以上にお料理の事を気にされる方が多い事にも驚き、こだわってよかったなと心から思いました」

お料理の中にも、小さな”サプライズ”を用意した。コースの最後を彩るデザートでは、美しい球状のホワイトチョコレートの中にアイスが入っている「ブールドネージュ」を提供。

スタッフがゲストひとりひとりの席にまわって、熱々のチョコレートソースをその場でかけると、中からアイスが現れる。デザートタイムは各テーブルで歓声が上がっていたとか。

また、広い会場でも堂々と存在感を放つウエディングケーキにかかった費用は、20万円。

「背の高いケーキにしたくて、5段ケーキをオーダーしました。装花もドレスも白を基調としていたので、ケーキには少し色味を入れたくてお色直し後のブーケと同じピンクのお花とリボンをあしらってもらいました」


ヴェラ・ウォンのウエディングドレスを購入。新婦衣装総額は170万円


次に、ぜひ詳しく話を聞いてみたいのが、ウエディングドレス。

目の前にいる彼女の私服姿からも、抜群のセンスの良さがはっきりわかるだけに、おそらくドレスにもかなりこだわりがあったのでは?と尋ねると、大きく頷くレイナさん。

「挙式では、元建築家であるデザイナー『アントニオ・リーヴァ』のドレスを着用しました。挙式はゲストに背中を向けている時間が長いので、バックにポイントがあるドレスにしました。立体的に波打つバックのフリルと、上質なミカドシルクの素材感が気に入って、これに決めました」



バックスタイルが美しいアントニオ・リーヴァ


「披露宴入場時は、同じ『アントニオ・リーヴァ』のドレスに、レースボレロを羽織ることで変化をつけました。キャサリン妃のレースドレスがとても好みだったので、レースボレロ付きだったこのドレスをはじめに手に取ったんです」

さらにお色直しでは、カラードレスは好みではなかったというレイナさんは白から白へのドレスチェンジをしたという。そして彼女が選んだ2着目のウエディングドレスが、世界中の花嫁が憧れるドレスブランド『ヴェラ・ウォン』のLARAだ。



会場負けしないボリュームが華やかな、ヴェラ・ウォンのドレス


『ヴェラ・ウォン』といえば、レンタルとして流通しているのは一部のデザインのみで、気に入ったドレスを着られる手段は購入のみだった…という新婦も多いと聞く。

「もともとドレスの購入予定はなかったのですが…。LARAを着た直後に“絶対これにするっ!”とその日のうちにオーダーをしてしまった運命のドレスです(笑)」

デザインがアシンメトリーになっており、左右で与える印象が全く違う所が最大の魅力。ボリュームがあるので、華やかで広いリッツの会場にも十分に映える、美しいドレスだ。

そんな彼女のドレスにかかった金額は、合計で140万。さらには、シューズやジュエリーなどの小物にも30万程をかけた。それぞれのドレスに合わせて、ダイアン・フォン・ファステンバーグのベージュパンプス、そしてクリスチャン・ルブタンのパンプスを購入。



ヴェラ・ウォンには12cm以上のヒールが合うと言われ、ルブタンのパンプスを購入

ヘアメイク費用は25万円


また、ドレスと同じくらいこだわる新婦が多いといわれるヘアメイク。費用は25万円ほどかかったという。

「ナチュラルなヘアメイクも素敵ですが、それだとドレスや会場に負けてしまうので、可能な限り濃くしてほしいと依頼しました。ヘアメイクリハーサルや、前撮りでも同じスタイルを作ってもらったので、ヘアメイクの担当者と信頼関係が築けていたのがよかったです。おかげで、当日の仕上がりはかなり気に入っています」

これらすべての結婚式の費用は、新婦のドレス以外は基本的に両家で折半。

「私は全て両親に甘えてしまいましたが…(苦笑)。彼のほうは全額自身で負担したようです。ウエディングドレスは気兼ねなく選びたかったのもあって、新婦側で負担しました」

最後に、そんなリッツ・カールトンでの結婚式はレイナさんにとってどんな1日だったかと尋ねると…。

「披露宴中、ずっと笑っていた記憶があります。よく新郎新婦はほとんど食事もできないなんて言いますが、私たちの場合は真逆。二人とも料理を完食したんです(笑)。

それから、高砂にカメラを持ち込んで、ゲストの写真を新郎新婦の目線で撮っていたのも良い思い出。大好きな人たちに囲まれて、最後まで笑顔でいられた1日でした」

取材中も何度も彼女が口にしていたのが、ゲストへの思いと、「笑顔で過ごせること」へのこだわり。参列したゲストたちにとっても間違いなくハッピーな1日になったに違いない。



婚約指輪はカルティエのデスティネ・ソリテール


そして結婚式後の夫婦生活も、まさに順風満帆。

「夫は仕事が激務ですが、旅行が大好きな私のために、年に2,3回は長期休暇を取得して海外旅行に出かけています。彼、本当は飛行機が苦手なんですけど…(笑)」

そう語るレイナさんの笑顔は、眩しく輝いている。

明るく、常に他人を思いやる心を忘れない夫婦だからこそこだわった、おもてなし精神にあふれるリッツ・カールトンでの結婚式。

単に上質で華やかなだけではない二人のリッツ婚から、結婚式において最も重要なことを教えてもらった気がした。




【レイナさんのリアル結婚式明細】
総額:900万円

主な項目ごとの明細
飲食費用総額:300万円
ウエディングケーキ:20万円
会場にかかった費用(室料、挙式料、音響照明、演出、司会、介添人等):不明
装花:60万円
引き出物:???
ペーパーアイテム:不明
新婦衣装(ドレス、小物):170万円
ヘアメイク:25万円
新郎衣装(オーダーメイド):25万円
カメラマン:40万円
ムービー撮影:20万円
プロフィールビデオ外注:10万円
洋装前撮り費用:会場費に含む
和装前撮り費用:10万円

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憧れのハワイ婚!海外挙式のリアル明細