アジアプロ野球チャンピオンシップ2017を制して、初代王者に輝いた日本の侍ジャパン。初陣で見事な結果を残した稲葉篤紀監督が、20日放送、テレビ朝日「報道ステーション」に出演した。

韓国との第1戦では、9回裏に同点として延長戦に持ち込むも、10回表に3失点。あわや黒星発進というピンチに陥ったが、10回裏に4得点してのサヨナラ勝ちを収めた。

進行の富川悠太アナウンサーから「1試合目はどうなることかと思った」と振られると、稲葉監督は「僕も思いました」と冷や汗をかいていたことを告白。それでも、その第1戦を制し、最終的に優勝したことで、第一目標としていた「とりあえず勝つということ」を達成でき安堵していると述べた。

韓国との決勝戦では、大量リードを奪って迎えた終盤、ベンチで感極まった様子も見せた。じつは、先制したときにもこみ上げるものがあったという。初陣で勝利が求められる重圧はもちろん、選手の必死な姿に「なんとか勝たせてあげたい」という想いがあり、グッとくるものがあったそうだ。

あえて監督然とせず、選手がやりやすいようにコミュニケーションを重視したという稲葉監督。一方で、「グラウンドでつばを吐かない」「裏方さんへの感謝を忘れない」など、選手たちには技術面以外のことも要求した。

それは、「野球界の鑑であってほしい」という想いからだ。若い世代の選手に「野球界を引っ張ってほしい」と願う稲葉監督は、「そのためにはみんなの手本にならなくてはならない」ということを伝えたかったと明かした。

もちろん、指揮官としてのフォローは欠かさない。団結力を高めるために、とにかくコミュニケーションを重視。自軍ではスタメンでも日本代表ではレギュラーではない選手や、調子が良くない選手に積極的に声をかけ、モチベーションを落とさないように配慮したという。

結束力を大事にする稲葉監督だけに、ガッツポーズもいとわなかった。事前に「うれしいときはガッツポーズをしよう」と決めていたそうだ。だが、それも一瞬のこと。あくまでも監督の仕事はチームを勝たせることだとし、「常に次への切り替え」を意識した。

だからこそ、視線はすでに2020年の東京五輪へと向いている。「1点を取る大事さ」を課題に挙げた稲葉監督は「勉強していきます」と、謙虚な姿勢で次の戦いへと意気込んだ。