【不朽の名作】島田紳助さん主演で話題となった「ガキ帝国」
後半は、抗争が行き過ぎて死人まで出る状態となってしまうので、前半のノリノリのケンカとのギャップに苦しむ人もいるかもしれないが、不良グループのリンチによる死亡事件なども当時ではよくあったことなので、不良を美化せずに描いているという部分では好感が持てる。また、島田の出で立ちや松本の舎弟っぽさ、静かな闘志を秘めていそうな趙のふるまいが、妙に当時の不良っぽさを出しているところも、この作品を面白くしている。他にも上岡龍太郎演じる小野のインテリヤクザぶりも見どころ。さらに、ストーリーの展開がケンカというわかりやすい描写で繰り返されるのも関西以外の地域に住む人にはありがたいかもしれない。
(斎藤雅道=毎週土曜日に掲載)