観光庁による「訪日外国人の消費動向」2016年10−12月期報告書によれば、アンケート対象となった中国人旅行客のうち団体ツアーに参加したのは29.8%であり、個人旅行パッケージを利用したのは15.9%、そして航空券や宿泊などを個別に手配したのは全体の54.2%となっている。(イメージ写真提供:123RF)

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 観光庁による「訪日外国人の消費動向」2016年10-12月期報告書によれば、アンケート対象となった中国人旅行客のうち団体ツアーに参加したのは29.8%であり、個人旅行パッケージを利用したのは15.9%、そして、航空券や宿泊などを個別に手配したのは全体の54.2%となっている。

 団体ツアーで日本を訪れる中国人も今なお多いものの、個人旅行を楽しむ中国人も随分増えていることがよく分かるが、中国メディアの簡書が16日付で掲載した記事は、個人旅行は日本文化をしっかり味わうことができるという点で団体旅行よりもはるかに優れていると論じている。

 記事は、団体ツアーはガイドが多くの観光スポットを中国語で案内してくれるというメリットがあるものの、大半の時間はバスの中で寝て過ごし、観光スポットに到着したんら車を降りて撮影するという型にはまった旅行であるため、観光スポットのことは「あまり印象に残らず、すぐに忘れてしまう」と説明。また食事も中国式の団体食が大半であるため日本現地の美食を味わうことはできないことが一般的と紹介した。

 一方、個人旅行で日本を訪れた中国人旅行客の見解として「日本の街を歩き、混み合った地下鉄に乗り、普通のレストランに行くことができた」と伝え、こうした旅行によって「興味深い日本の姿を発見できた」と感想を紹介した。

 例えば、「東京の子どもたちや女子中高生たちはみな可愛らしく、身なりがよく整えられていて、また男性も眉毛の手入れをしている上にファッションセンスが良い」ということを発見したと紹介、また横断歩道を渡るときに目の不自由な人のために誘導音が鳴らされることを発見したと説明し、日本の街では身体の不自由な人が出歩く光景をよく見かけたと紹介。これは中国に比べて日本には体の不自由な人たちへの配慮があるため可能なのだと論じた。

 中国では視覚障がい者のために誘導音がなる音響装置がついた信号機はほとんど存在しない。自動車は常時右折可能であり、また歩行者のために一時停止することはまずないため、仮にこの音響装置が信号機に設置されていても、中国の視覚障がい者たちは怖くて横断歩道を渡ることはできないだろう。記事が紹介した中国人旅行客は、個人旅行を通じて身体の不自由な人たちに対する日本社会の優しさに気が付くことができたようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)