米国の市場調査会社IDCが先頃公表したインドのスマートフォン市場に関する最新リポートによると、昨年(2016年)1年間の同国におけるスマートフォン出荷台数は1億910万台となり、前年から5.2%増と、小幅な伸びにとどまった。

 また昨年10〜12月期の出荷台数は2580万台で、1年前からほぼ横ばいで推移、昨年7〜9月からは20.3%減少した。

 インドでは10〜11月の祭事シーズンを前に小売業者が販売を強化したりするこなどから毎年7〜9月にスマートフォンの出荷台数が伸びる。

 昨年10〜12月期はその反動や、高額紙幣廃止に伴う消費の落ち込みが主な要因となり市場は振るわなかったという。

中国メーカーのシェアが46%に

 その一方で同国では、中国メーカーが出荷台数を大きく伸ばしており、10〜12月期はスマートフォン市場の勢力図に変化があったと同社は指摘している。

 例えば、10〜12月期は中国メーカーの合計シェアが46%と、1年前の2倍に拡大した。これに対しインド地場メーカーの合計シェアは19%に低下。「インドメーカーが国内出荷台数ランキングで1社もトップ5に入らなかったのは初めて」(IDC)という。

 10〜12月期におけるメーカー出荷台数シェアのランキングを見ると、上位5社は、「韓国サムスン電子」、「中国シャオミ(小米科技)」、「中国レノボ・グループ(聯想集団)」、「中国オウポ(広東欧珀移動通信、OPPO Mobile Telecommunications)」、「中国ビーボ(維沃移動通信、vivo Mobile Communication)」の順となった。

 これに先立ちIDCが昨年11月に公表していた前の四半期の上位5社は、「サムスン」、「レノボ」、「印マイクロマックス ・インフォマティクス」、「シャオミ」、「印リライアンス・ジオ・インフォコム」という順。

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急成長する中国新興2社

 このうち、今回インドメーカーを追い出し、トップ5に入ったオウポとビーボは、あまり名の知られていない中国の新興メーカーだ。しかし両社はここ最近、急速に勢力を伸ばしており、大手メーカーの脅威となっている。

 例えば、オウポとビーボは一昨年の中国スマートフォン市場でそれぞれ4位と5位のメーカーだった。しかし昨年は、オウポがシャオミ、ファーウェイ(華為技術)、アップルを抜き首位に浮上。ビーボもアップルとシャオミを抜き3位に上昇した。

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 10〜12月期のインド市場における両社の出荷台数を見ると、オウポが前の四半期から29.9%増、ビーボが同50.8%増と大きく伸びている。これに対し首位のサムスンは同13.1%減少、シャオミは同15.3%増と好調だったが、伸び率はオウポ、ビーボに比べ低い。またレノボは同17.4%減少した。

筆者:小久保 重信