(写真提供=SPORTS KOREA)渦中のキム・ジェニさん(右)

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慰安婦問題などを原因に関係が冷え込んでいる日韓だが、その影響が思わぬところに派生している。

政治問題とはまったく関係がなさそうな、世界一の美女を決める「ミス・ユニバース世界大会」だ。

事件を報じたのは、韓国の編成チャンネル『JTBC』。朴槿恵大統領と親友の国政介入事件をスクープしたともいわれるJTBCは、その取材力に加えて、美しい女子アナまで多いということで、韓国で絶大な支持を受けている。
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日本人審査員の“ひどい”質問

そんなJTBCによると、最近フィリピンで行われた第65回ミス・ユニバース世界大会で、韓国代表のキム・ジェニさんがひどい質問を受けたという。

なんと、弾劾審判を受けている朴槿恵大統領に関する質問と、慰安婦問題に関する質問を受けたそうだ。

周知の事実だが、韓国は美を競う祭典が数多く開催される“ミスコン大国”だ。当然ミス・ユニバースだけでなく、ミス・ワールド、ミス・インターナショナルなどにも美女を送り込んでいる。

しかし、それらの場で直接的な政治関連の話が質問されることは珍しいと言わざるを得ない。

しかも慰安婦問題の質問をしたのが日本人審査員だったことで、さらなる注目を集めた。

質問したと報じられているのは、森理世さん。2007年にミス・ユニバース世界大会で、日本人としては48年ぶりに優勝した人物だ。

今回の大会では審査委員だったという。

キムさんは森さんの質問に対して、「慰安婦問題がうまく解決されることを望みます」と答えるのが精一杯だったようだ。

2015年のミス・ワールドコリア1位に輝いた美女が朴槿恵大統領の退陣を要求するデモに参加していたというニュースがあったものの、誰もがそれほど政治性が高いわけでもないだろう。

JTBCの取材によると、森理世さんのマネージャーは質問の意図について、「どんな人種の人からどんな質問が来るのかがわからない。そういったなかで、どれだけスマートに解答することができるかが審査のポイント」などと語ったそうだ。

ただでさえセンシティブな慰安婦問題が美女大会で問われたということで、韓国では大きな話題に。

「日本は反省するべき」

「当事国としてあなたはどう思うのかと、反論すれば良かったのに」
「日本が反省するべきという話以外に何があるのか」
「素養のない日本の審査員だったのでしょう」

などなど、韓国ネット民のコメントは2000件に迫る勢いだった。

JTBCの報道はこう締めくくられる。

「キムさんは86人のなかから13人を選ぶ準決勝進出に失敗しました」

まるで慰安婦問題の質問が落選原因のような報じ方だが、準決勝に残れなかった原因は韓国側にもあるかもしれない。というのも、韓国が誇る「ミス・コリア選抜大会」が最近は失墜しているのだ。

これまでミス・コリア眞(1位)に選ばれた者がミス・ユニバースに、ミス・コリア善(2位)に選ばれた者がミス・ワールドに韓国代表として出場してきたが、昨年、ミス・コリアはいずれの世界大会からも出場資格を剥奪された。

渦中の人物であるキム・ジニさんもミス・コリアから世界に羽ばたいたわけではないのだ。

こうした複雑な事情や変化は、大会出場者たちにとっては混乱以外の何物でもない。

ミス・コリアの歴代ベストイレブンを見ると、女優やタレントが多く、「ミス・コリアのタイトルは韓国芸能界で成功するためのブルーチップ」とさえ言われていたが、現状は大きく異なるのだ。

いずれにしても世界を代表するミス・ユニバース世界大会の韓国代表に日本人審査員が慰安婦問題について質問したことは、韓国社会に大きなショックを与えている。

影響がこれ以上、多くの分野に広まらないためにも、一日も早い問題解決を願うばかりだ。

(文=慎 武宏)