第一回目は4,000人が応募するなど非常に好評(?)だった、JAXAによる「閉鎖環境適応訓練設備を用いた有人閉鎖環境滞在試験(以下、閉鎖環境滞在試験)」。その第2回となる閉鎖環境滞在試験が、9月26日に終了したことが発表されました。


 


今回の閉鎖環境滞在試験では2週間の滞在期間が設けられ、参加した8名のうち7人は試験を無事終了し1人は体調不良で途中退室しています。また途中退室した参加者も含め、すべての参加者の現時点での健康状態に問題はないそうです。今後は試験終了後の事後測定が予定されています。


 


なぜ閉鎖環境で試験を行うの?

 



 


今回で2回目となる閉鎖環境滞在試験ですが、その目的は「ISS(国際宇宙ステーション)などの宇宙空間での長期滞在における、健康評価手法を向上」させることにあります。


 


これまで数々の宇宙飛行士がISSに滞在してきましたが、その精神心理的な状態の把握手法は制限されていました。なにせ医者の往診ができない宇宙空間ですから、定期的な地上の専門家とのビデオ問診が唯一の手法だったのです。


 


試験では、被験者のストレスの客観的な指標となる「ストレスマーカ」の抽出が目標となります。また第1回の閉鎖環境滞在試験後、企業からの提案で第2回の試験ではストレスマーカ候補が追加さました。


 


第1回、第2回と無事に終了した閉鎖環境滞在試験ですが、予定では2016年度に最大3回の試験が設定されています。第1回は4,000人、第2回は2.900人が応募するなど超人気なこの試験ですが、今後の追加試験もあり得るのでJAXAによる発表を楽しみに待ちましょう!


 


Image Credit: JAXA
■第2回「閉鎖環境適応訓練設備を用いた有人閉鎖環境滞在」の終了について
http://iss.jaxa.jp/topics/2016/09/20160929.html?utm_source=rss&utm_medium=rss