鳥越氏が出演断り「テレビ討論」流れる 猪瀬元知事「政策判断する機会が失われた」
東京都知事選をめぐり、主要3候補による討論を2016年7月17日の「新報道2001」(フジテレビ系)が企画していたが、鳥越俊太郎氏が出演を見合わせたため取り止めとなっていたことがわかった。
増田寛也氏がツイッターでこの経緯を明かし、小池百合子氏も街頭演説で鳥越氏を揶揄。元東京都知事の猪瀬直樹氏も、「有権者は政策判断をする機会が失われた」と批判的に論じている。鳥越氏陣営はJ-CASTニュースの取材に対し、「日程調整」の結果、出演を断ったと「出演見合わせ」を認めた上で、一部で指摘された「ドタキャン」疑惑については、断ったのは「金曜(15日)朝だ」と反論した。
小池氏も「逃げ馬」と揶揄する
議論のきっかけとなったのは、増田氏が16日18時過ぎ、ツイッターで投稿した下記の発言だ。
「あす朝7時30分からのフジテレビ『新報道2001』で都知事選候補者の討論が行われ、生出演する予定でしたが、取り止めになりました。鳥越氏が出演を見合わせたことで中止になったと聞きました。政策議論の貴重な一つの場がなくなってしまったことは大変残念です」
小池百合子氏も17日の街頭演説で、「討論会をするはずだったんだけれども、この方(鳥越氏)が出席しないということになって、その企画そのものが流れてしまいました。これはもう『逃げ馬』としか言いようがありません」と揶揄した。
番組出演を断ったという鳥越氏だが、この17日は、朝は11時から町田駅前で、続いて15時から吉祥寺駅前で街頭演説に立つなどの選挙活動を展開した。それもあって、ネット上などでは出演しなかったことをいぶかる声が相次いだ。
増田氏と小池氏だけでも放送すべきだった?
実際に放送された17日の「新報道2001」では、都知事選は比較的小さな扱いで報じられるに留まったものの、出演していた猪瀬氏が増田氏のツイートを引用する形で、
「今日なんかも本当は、3人がそろって議論していただくといいですよね。(中略)やっぱりできるだけ努力して、あちこちこういう番組に出演していただきたいですよね」
と、鳥越氏の出演見送りを間接的な形ながら批判した。この発言は番組では「流される」形となったが、猪瀬氏は番組終了後、フェイスブックで「番組側でそれを明確に説明しにくいようなので僕があえて、有権者は政策判断をする機会が失われた、と発言しました」と説明、その上で、主要候補者3人がそろわないからといって討論の放送を見送った、テレビ局側の選挙報道に対する姿勢を批判した。
「日本の地上波は、間違った悪平等の世界、ほんとうは1人欠席しても2人に論争させればよいのです。こうした欠席が続けば今後、都知事選番組がつくれません。一方的など言っていては何も始まりません」
鳥越事務所「金曜朝の時点で出演できない旨連絡」
鳥越氏の事務所に対し、J-CASTニュースが取材を申し込んだところ、街頭演説を終えた17日18時にFAXで回答があり、「日程調整」の結果、出演を断ったとした。
「新報道2001から出演依頼をいただき、日程調整しておりましたが、最終的に金曜朝の段階で、日程調整の結果出演できない旨、局側に連絡しております。
その後、局側からはなんとか出演できないかとの要請が数度に渡りありましたが、日程調整の結果出演できない旨、そのつど申し上げておりました。土曜日朝の時点でも、出演できない旨を回答いたしました。その後、局側から連絡はございません」
これによると、鳥越氏陣営は金曜(15日)朝の時点で、断りの連絡を入れ、その後土曜(16日)朝に、再度断りの意向を伝えたという。また、今後の同様の番組については、「今後も番組出演については、日程調整のなかで個々に対応してまいります」とした。
一方、ネット上では小池氏支持を表明している音喜多駿都議が自身のブログで16日夜、鳥越氏が「ドタキャン」したとの主張を展開、これがニュースサイトなどでも配信され、反響を呼んだ。これについては上記のように2日前の時点で断りを入れており、鳥越陣営では「当方が出演を直前にキャンセルしたとの事実は一切ございません」と、いわゆる「ドタキャン」批判は当たらないとした。