藤田ニコル、すべてをさらけ出して生きる!「後悔するかもしれないけどそれも人生!」
「若いうちにつらいことしていないと、大人になってから耐えられないかなって」。藤田ニコルは、ほぼ休みなしという目が回るような忙しい毎日について、そう語る。口調はなんとも緩いが、口を突いて出る言葉はプロ意識と、イマドキの若者らしからぬ根性があふれている。裏表のないバツグンに明るいキャラクターでお茶の間を沸かせる17歳の頭の中を知るために、ロングインタビューを敢行した。そこには知られざる素顔が――。
撮影/平岩亨 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.
――2015年の夏ごろから年末年始まで、まったく休みがない状態だったそうですね。昨年を振り返っていかがでしたか?
それまではモデルとしての仕事ばかりだったけど、去年くらいからTVに出るようになって、人生が丸々変わりましたね。いま、これだけ忙しいのはいいことだなって思ってます。
――TVに出るとやはり、一気にいろんなことが変わりますか?
全然、違いますね。でも楽しいです。もともと、みんなでワイワイ話したりするのが好きなので。雑誌だと声が出ないじゃないですか? それってもったいないなって。
――雑誌では同世代の女の子がコアなファンですが…
それもすごく変わった! これまでイベントとかに出ても、女子中高生が多かったのが、小さい子や大人の方が見に来てくれたり、街中でもいままでと全然違う年齢層のひとに声掛けられたりするようになりました。
――この大ブレイクに至るまでをじっくりと伺っていきます。小さいころはどんな子どもでしたか?
周りの女の子たちとはちょっと違ってて、みんなは『プリキュア』が好きだけど、私は『NARUTO』を見てて、女の子たちが『オシャレ魔女 ラブandベリー』で遊んでても、私は男の子たちと『ムシキング』で遊んでたり、男の子っぽかったんです。セミをほじくり返したり(笑)。
――それはどなたの影響なんでしょうか? ご兄弟は…
弟はいるけど、お兄ちゃんはいないので、どうしてそうなったのか謎なんです(笑)。あとは、何をやるにしても他人とかぶるのが昔から嫌いでしたね。
――性格的には…
わりとこのまんま(笑)。思ったことをそのまま言っちゃうから、相手を傷つけちゃうこともあったし、でもそれがいいって言ってくれる子もいたし…素直なんです!(笑) ただ、やっぱり男っぽいというか、女の子のグループには属してなかったですね。ネチネチした“女子”の感じはいまでも苦手で。
――子どものころに一番好きだったものや影響を受けた存在は?
『ポケモン』ですね。保育園のころからずっと大好きで、いまでもそう! 初めて買ってもらったゲームでいっぱい遊んだし、物語も深くてすごくたくさんのことを学びました。一緒に育ってきたような感じです。小さい子の教育には『ポケモン』がいいと思います!(笑) 友情とか、戦うと痛いってことがわかりますよ。
――ハーフということで、いじめられたりしたことはなかったですか?
見た目について変な目で見られることはなかったけど、小学校では「ニコレット」とか「ニコチン」とか、名前についてイジられましたね。中学に上がったら、先輩がいろいろとウザくて(苦笑)、それがイヤになって学校に行かなくなっちゃって…。
――目立つぶん、目をつけられやすかったんですね。
小6でモデルの活動を始めたので、それに関していろいろ言ってくるひとたちが多くて…。もともと、学校もそんなに好きじゃなかったので。
――モデルになったのは雑誌『二コラ』のオーディションがきっかけですね?
小5のときに、私と名前が似てるからってお母さんが買ってきてくれたのが『二コラ』で、それがちょうどオーディション募集の号だったんです。それを見て、受けてみようってなったんですが、そのときは書類審査で落ちちゃった。それが悔しくて、小6でもう一回、受けてみようって。
――最初にオーディションを受けてみようと思った理由は?
それまでファッションとかメイクのことは全然知らなかったんですけど、『二コラ』の中のみんながすごくキラキラしてて、自分もそうなれたらいいなって思って、ダメ元で応募してみたんです。
――やると一度決めたら…
失敗してもいいから、とにかく挑戦してみようってタイプですね。行動力はあるんで、雑誌のファッションやメイクとかを真似するんじゃなく、オーディションを受けちゃえ! って(笑)。
――1年後の再挑戦でグランプリの5人のうちのひとりに選ばれたんですよね?
書類審査には通ったけど、周りはかわいい子ばかりで、自分が受かるとは思ってなかったです。同じテーブルに(同期でグランプリを獲る)松井愛莉ちゃんがいて「この子、めっちゃかわいい! 受かるだろうなぁ」とか思って見てました(笑)。
――いま、TVやイベントに出ているときもそうですが、オーディションなどでも緊張することはないんですか?
全然ないんです(笑)。いまよりは多少してたと思うけど、お母さんからも「どうせ受かんないよ」って言われてたので。でも、そう言われると逆に燃えるところがあって(笑)、受かったときは「見返せた!」って思いもあって嬉しかったです。
――負けず嫌いなんですね。実際のところ、受かると思ってなかった? それとも多少は自信があった?
自信は…あるんだけど、ない?(笑) なんて言えばいいのかな…、なかなか自信満々に自分を出せないんだけど、「負けたくない」「前に行きたい」って気持ちもあって。
――実際、1万4000人を超える応募者の中からグランプリのひとりに選出されて…
え? 本当に? って感じ。私、松井愛莉ちゃんと一緒にいて大丈夫? って(笑)。嬉しかったけど不安でした。
――ニコモとして活動を始めて、いかがでしたか?
最初のころはそんなに人気もありませんでした。みんなカラーページを持ってるのに、私はモノクロで連載だったし…。周りはかわいい子ばかりで、普通にこの中にいるだけじゃ、目立たないしダメだなって思ったんです。
――自分なりの個性や工夫が必要だった。
ちょうど、中学校の先輩たちがカラコンをしたり、つけま(つけまつ毛)をしていて「そういうのがあった!」って気づいた。そこで自分もやってみたら、すごくハマったので『二コラ』でもやるようになりました。最初は『二コラ』らしくなくて、いろいろ言われたりもしたけど、かわいいほうがいいじゃん? ってそのうち人気も上がっていったんです。
――ニコモとして活動していく中で、ご自身のファッションの趣味は変わりましたか?
最初はさまよってました(笑)。「LIZ LISA」のヒラヒラのお姫様みたいな服を着たり、「COCOLULU」のようなカジュアルな感じを取り入れたり。原宿系、渋谷系ってことも意識してなかったし、そもそもまだ原宿系もそこまで流行ってなかったし。
――模索しつつ…
何が似合うのかを探していた時代ですね。カラコンをするようになったころから、撮影で着させてもらう服がカジュアルでポップなものが多くなってきたんです。あぁ、そっちが自分には似合うのかなってわかり始めてきました。
――現在、モデルを務める『Popteen』のようなギャル系のファッションに目覚めていったのは…
『Popteen』は中学時代から読み始めて、「ギャル系ってかわいいな」と思い始めて、ひそかにギャルメイクを研究したりもしてました。つけまを二重にしたり。でも、さすがに『二コラ』でそこまで激しいことはできないから、地元でやってた。そのころには『二コラ』を卒業したら、絶対に『Popteen』に行くって自分で決めてました。
――まさに、その意思の力の強さで2014年に『Popteen』加入を果たしました。
『Popteen』に入ったことで、自由にやれることはかなり増えました。いくら髪を染めたっていいし、メイクも好きにできる。『二コラ』でもいろんなことをさせてもらったけど、「もっともっと!」という気持ちが強かったので、いまは最高です!
――現在は高校3年生。中学時代を『二コラ』、高校時代を『Popteen』に捧げてきました。
高校は、なかなか行けなくて修学旅行も行けなかったのはちょっと寂しい…。JKライフを楽しみたかったなという気持ちはあります。制服を着る機会が少なくて、撮影で着る機会のほうが多いかも。でも、モデルというよりどころがあったから、いまの選択でよかったなと思ってます。
――仕事に行くことが、ある意味で学校に通っているような?
ホントにそう思います。『Popteen』が教科書で、モデルの“同級生”がいて(笑)。ファッションやメイクはもちろん、それ以外のこともいろいろと勉強させてもらったなぁって感じてます。
――『Popteen』に加入して、さらにファッションも変化しましたか?
原宿によく行くようになって、服はそっちの系統を取り入れるようになったけど、メイクや髪の色は渋谷っぽくいたいし、いいとこどりかな(笑)。原宿の子たちはメイク薄めでそれがかわいいけど、私はメイクが楽しいんで。
――少し前に、すっぴんの写真を公開して「かわいい」と話題になりましたが、それでもがっちりメイクするのが好き?
メイクしてないときは藤田ニコルで、メイクすると“にこるん”になる感じ?(笑) また違う自分になれる気がして楽しい。
――プライベートと仕事が影響し合って、成長をもたらしてるんですね。
少し話が違うけど、うちは母子家庭ということもあって、周りのモデルの子と比べても裕福じゃなかったから、服もそんなにも持ってなかったんです。『二コラ』のころは、同い年の子の服のおさがりをもらったりしてたし…。でも、服が少なかったおかげで着回し術を身に着けることができて、いまもそれはすごく役立ってるなぁって思います。
――お母さまはニコルさんの活躍をどんなふうに見てますか?
喜んでます。お母さんとは昔から友達みたいな関係でオープンなので、仕事の話も恋愛の話も何でもします。お互いに新しい恋人ができたら、家に連れて来て紹介するし(笑)。
撮影/平岩亨 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.
最も大きな影響を受けたのは『ポケモン』!
――2015年の夏ごろから年末年始まで、まったく休みがない状態だったそうですね。昨年を振り返っていかがでしたか?
それまではモデルとしての仕事ばかりだったけど、去年くらいからTVに出るようになって、人生が丸々変わりましたね。いま、これだけ忙しいのはいいことだなって思ってます。
――TVに出るとやはり、一気にいろんなことが変わりますか?
全然、違いますね。でも楽しいです。もともと、みんなでワイワイ話したりするのが好きなので。雑誌だと声が出ないじゃないですか? それってもったいないなって。
――雑誌では同世代の女の子がコアなファンですが…
それもすごく変わった! これまでイベントとかに出ても、女子中高生が多かったのが、小さい子や大人の方が見に来てくれたり、街中でもいままでと全然違う年齢層のひとに声掛けられたりするようになりました。
――この大ブレイクに至るまでをじっくりと伺っていきます。小さいころはどんな子どもでしたか?
周りの女の子たちとはちょっと違ってて、みんなは『プリキュア』が好きだけど、私は『NARUTO』を見てて、女の子たちが『オシャレ魔女 ラブandベリー』で遊んでても、私は男の子たちと『ムシキング』で遊んでたり、男の子っぽかったんです。セミをほじくり返したり(笑)。
――それはどなたの影響なんでしょうか? ご兄弟は…
弟はいるけど、お兄ちゃんはいないので、どうしてそうなったのか謎なんです(笑)。あとは、何をやるにしても他人とかぶるのが昔から嫌いでしたね。
――性格的には…
わりとこのまんま(笑)。思ったことをそのまま言っちゃうから、相手を傷つけちゃうこともあったし、でもそれがいいって言ってくれる子もいたし…素直なんです!(笑) ただ、やっぱり男っぽいというか、女の子のグループには属してなかったですね。ネチネチした“女子”の感じはいまでも苦手で。
――子どものころに一番好きだったものや影響を受けた存在は?
『ポケモン』ですね。保育園のころからずっと大好きで、いまでもそう! 初めて買ってもらったゲームでいっぱい遊んだし、物語も深くてすごくたくさんのことを学びました。一緒に育ってきたような感じです。小さい子の教育には『ポケモン』がいいと思います!(笑) 友情とか、戦うと痛いってことがわかりますよ。
自信はないけど「負けたくない」
――ハーフということで、いじめられたりしたことはなかったですか?
見た目について変な目で見られることはなかったけど、小学校では「ニコレット」とか「ニコチン」とか、名前についてイジられましたね。中学に上がったら、先輩がいろいろとウザくて(苦笑)、それがイヤになって学校に行かなくなっちゃって…。
――目立つぶん、目をつけられやすかったんですね。
小6でモデルの活動を始めたので、それに関していろいろ言ってくるひとたちが多くて…。もともと、学校もそんなに好きじゃなかったので。
――モデルになったのは雑誌『二コラ』のオーディションがきっかけですね?
小5のときに、私と名前が似てるからってお母さんが買ってきてくれたのが『二コラ』で、それがちょうどオーディション募集の号だったんです。それを見て、受けてみようってなったんですが、そのときは書類審査で落ちちゃった。それが悔しくて、小6でもう一回、受けてみようって。
――最初にオーディションを受けてみようと思った理由は?
それまでファッションとかメイクのことは全然知らなかったんですけど、『二コラ』の中のみんながすごくキラキラしてて、自分もそうなれたらいいなって思って、ダメ元で応募してみたんです。
――やると一度決めたら…
失敗してもいいから、とにかく挑戦してみようってタイプですね。行動力はあるんで、雑誌のファッションやメイクとかを真似するんじゃなく、オーディションを受けちゃえ! って(笑)。
――1年後の再挑戦でグランプリの5人のうちのひとりに選ばれたんですよね?
書類審査には通ったけど、周りはかわいい子ばかりで、自分が受かるとは思ってなかったです。同じテーブルに(同期でグランプリを獲る)松井愛莉ちゃんがいて「この子、めっちゃかわいい! 受かるだろうなぁ」とか思って見てました(笑)。
――いま、TVやイベントに出ているときもそうですが、オーディションなどでも緊張することはないんですか?
全然ないんです(笑)。いまよりは多少してたと思うけど、お母さんからも「どうせ受かんないよ」って言われてたので。でも、そう言われると逆に燃えるところがあって(笑)、受かったときは「見返せた!」って思いもあって嬉しかったです。
――負けず嫌いなんですね。実際のところ、受かると思ってなかった? それとも多少は自信があった?
自信は…あるんだけど、ない?(笑) なんて言えばいいのかな…、なかなか自信満々に自分を出せないんだけど、「負けたくない」「前に行きたい」って気持ちもあって。
――実際、1万4000人を超える応募者の中からグランプリのひとりに選出されて…
え? 本当に? って感じ。私、松井愛莉ちゃんと一緒にいて大丈夫? って(笑)。嬉しかったけど不安でした。
“『二コラ』らしくなさ”を武器に人気を獲得
――ニコモとして活動を始めて、いかがでしたか?
最初のころはそんなに人気もありませんでした。みんなカラーページを持ってるのに、私はモノクロで連載だったし…。周りはかわいい子ばかりで、普通にこの中にいるだけじゃ、目立たないしダメだなって思ったんです。
――自分なりの個性や工夫が必要だった。
ちょうど、中学校の先輩たちがカラコンをしたり、つけま(つけまつ毛)をしていて「そういうのがあった!」って気づいた。そこで自分もやってみたら、すごくハマったので『二コラ』でもやるようになりました。最初は『二コラ』らしくなくて、いろいろ言われたりもしたけど、かわいいほうがいいじゃん? ってそのうち人気も上がっていったんです。
――ニコモとして活動していく中で、ご自身のファッションの趣味は変わりましたか?
最初はさまよってました(笑)。「LIZ LISA」のヒラヒラのお姫様みたいな服を着たり、「COCOLULU」のようなカジュアルな感じを取り入れたり。原宿系、渋谷系ってことも意識してなかったし、そもそもまだ原宿系もそこまで流行ってなかったし。
――模索しつつ…
何が似合うのかを探していた時代ですね。カラコンをするようになったころから、撮影で着させてもらう服がカジュアルでポップなものが多くなってきたんです。あぁ、そっちが自分には似合うのかなってわかり始めてきました。
――現在、モデルを務める『Popteen』のようなギャル系のファッションに目覚めていったのは…
『Popteen』は中学時代から読み始めて、「ギャル系ってかわいいな」と思い始めて、ひそかにギャルメイクを研究したりもしてました。つけまを二重にしたり。でも、さすがに『二コラ』でそこまで激しいことはできないから、地元でやってた。そのころには『二コラ』を卒業したら、絶対に『Popteen』に行くって自分で決めてました。
――まさに、その意思の力の強さで2014年に『Popteen』加入を果たしました。
『Popteen』に入ったことで、自由にやれることはかなり増えました。いくら髪を染めたっていいし、メイクも好きにできる。『二コラ』でもいろんなことをさせてもらったけど、「もっともっと!」という気持ちが強かったので、いまは最高です!
『Popteen』が教科書だった!
――現在は高校3年生。中学時代を『二コラ』、高校時代を『Popteen』に捧げてきました。
高校は、なかなか行けなくて修学旅行も行けなかったのはちょっと寂しい…。JKライフを楽しみたかったなという気持ちはあります。制服を着る機会が少なくて、撮影で着る機会のほうが多いかも。でも、モデルというよりどころがあったから、いまの選択でよかったなと思ってます。
――仕事に行くことが、ある意味で学校に通っているような?
ホントにそう思います。『Popteen』が教科書で、モデルの“同級生”がいて(笑)。ファッションやメイクはもちろん、それ以外のこともいろいろと勉強させてもらったなぁって感じてます。
――『Popteen』に加入して、さらにファッションも変化しましたか?
原宿によく行くようになって、服はそっちの系統を取り入れるようになったけど、メイクや髪の色は渋谷っぽくいたいし、いいとこどりかな(笑)。原宿の子たちはメイク薄めでそれがかわいいけど、私はメイクが楽しいんで。
――少し前に、すっぴんの写真を公開して「かわいい」と話題になりましたが、それでもがっちりメイクするのが好き?
メイクしてないときは藤田ニコルで、メイクすると“にこるん”になる感じ?(笑) また違う自分になれる気がして楽しい。
――プライベートと仕事が影響し合って、成長をもたらしてるんですね。
少し話が違うけど、うちは母子家庭ということもあって、周りのモデルの子と比べても裕福じゃなかったから、服もそんなにも持ってなかったんです。『二コラ』のころは、同い年の子の服のおさがりをもらったりしてたし…。でも、服が少なかったおかげで着回し術を身に着けることができて、いまもそれはすごく役立ってるなぁって思います。
――お母さまはニコルさんの活躍をどんなふうに見てますか?
喜んでます。お母さんとは昔から友達みたいな関係でオープンなので、仕事の話も恋愛の話も何でもします。お互いに新しい恋人ができたら、家に連れて来て紹介するし(笑)。