史上最狂のマルチツール:100以上の「キケンな」機能
19世紀後半にドイツの刃物メーカーがつくったそのマルチツールは、ポケットサイズの万能ナイフという域を超えている。重さは約4kg、広げると直径約30cmにもなる、「スーツケースナイフ」だ。
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Multi-bladed folding knife made in Germany ca. 1880 for John S. Holler, cutlery merchant, New York City 1867-1906. Cat. No. 1986.0101.03
ツイート ツイート ツイートどんなに腕の立つセールスマンでも、悩みは共通している。Holler社(J. S. Holler & Co.’s cutlery store)には「マーケティング戦略」が必要だった。
19世紀当時、もちろんTwitterは存在しなかった。だから彼らは、自分たちの製品と職人のレヴェルの高さをアピールするための「宣伝用のデモ」をつくる必要があった。
上記写真の“アーミーナイフ”は、かつて世界中の万国博に出展されたものだが、まるで「危険な刃物の総合カタログ」といった印象を誰の目にも与える。
どんな機能が内蔵されているのか? ダガーナイフに鋸歯状のブレッドナイフ、ハサミ、鋸刃。葉巻カッターはもちろん、シャープペンシル、鉛筆、ピアノ調律用のフォークなどが確認できる。「瓶の栓抜き」は入っていないがそれも当然で、というのも、われわれが知っている瓶の栓は、1892年に発明されたものだ。
重さは約4kg。すべてを完全に伸ばした状態にすれば、直径約30cmにも達する。ポケットナイフというより、むしろスーツケースナイフと言った方がいいかもしれない。
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