東京の南東、多摩川河口部の船上で暮らす年老いた男。この男は船の修理を依頼され、生活の資金を得たり、修理代の代わりに売り物にならない魚をもらったりして、数匹の犬と一緒に生活している。周辺には、数多くの船が係留されているが、そのうちの何台もの船がこの男に預けられ、持ち主たちはいなくなってしまった。「船をただのものとしか思ってないんだ」男はそう語る。船を不法に係留しているとして何度も強制撤去の命令である