「いつもほおえんでおいで」になった山川(旧姓:久世)三千子は、明治天皇とその妻・昭憲皇太后に仕えた「女官」です。彼女は1909(明治42)年に宮中に出仕し、1914年に退官するまでの足掛け6年間、天皇家の「内側」の奥深くをつぶさに目撃しました。彼女の当時の経験は、『女官』という書籍として1960年に実業之日本社から公刊され、世間に衝撃を与えたとされます。現在この貴重な記録は、『女官 明治宮中出仕の記』(講談社学術