北朝鮮で重要視される価値は「体制への忠誠心」だが、それはあくまでも建前だ。実際に大切なのは「カネ」だ。窓口担当者は書類の発行に便宜を図るとしてカネを受け取り、配電担当者はカネを受け取って工場向けの電気を民家に横流しする。賞やコンクール、進学、兵役、就職も、カネに物を言わせればある程度なら希望が叶えられる。地獄の沙汰もカネ次第。刑務所の受刑者までもが、カネの力で楽に過ごすことができる。逆にカネの力が