陸地の影もかたちも見当たらない大海原で、風の向くままただひたすら漂うばかり。雨をしのげるものはなく、灼熱の太陽が体力を奪っていく。頼れるものは、いつまでもつかわからない食料と、わずかな道具、そして自分のみ。ボートやヨットの遭難事故は歴史上何人もの犠牲者を出してきた。一方で、数十日、時には百日以上におよぶ漂流生活の末に生還した人もいる。彼らは、過酷な環境をいかに耐えたのか。■陸地の見えない大海原で二