同時代の人々が想像もできなかったようなビジョンを掲げ、それを実現した起業家が、今の世の中で忘れ去られている。リクルートの創業者・江副浩正である。まだ学生の就職がほとんど「コネ」で決まっていた1950年代、近い将来かならず訪れる高度経済成長、爆発的な雇用の拡大に伴う「実力採用」の時代を予見し、企業と学生をマッチングさせるサービスで成功を収めた。ほとんどの会社に電卓すらなかった1968年には、今では現実のもの