社会が目指す一つの理想として「多様性」という言葉が使われるようになったのはいつからだろうか。人の価値観や考え方、生き方、働き方、性的嗜好、人種、性別、民族…。すべてが尊重されるべき、というのは確かにあるべき社会像だろう。ただ、意地悪な言い方をするなら、人が他者に寛容になれるのは、その他者が自分にとって理解可能であり、さらにその存在が自分の利益を脅かさない時だけかもしれない。もし、ある層の人々が主張