納豆は日本の伝統食品――そう思って疑わない日本人は少なくないだろう。しかし、納豆文化は東アジアの山間地域、いわば「辺境地域」の民族に広がっていた。そこでは私たちが思い浮かぶ納豆の姿とは全く違った、様々な形で食べられていたのだ。高野秀行さんはその冒険譚を『謎のアジア納豆 そして帰ってきた〈日本納豆〉』(新潮社刊)という一冊の本にまとめた。そのあとがきに「アフリカにも納豆がある」ということを示唆して。