ジャニー喜多川がラジオで衝撃発言「名前は覚えられない」
2015年元旦、”事件”は起こった。
雑煮を食べて一息ついていた業界関係者の間に衝撃が走ったという。筆者はそれを、あるキー局でバラエティ番組を担当するディレクターN氏からの電話で知った。新年早々、尋常ならざるテンションに「何ごとか」と思ったものだ。
「NHK、やばいっす、あの、ジャニーさんが……えっと、ラジオ持ってます? すぐにつけて!」
電話口で急かすN氏の言動があまりに激しかったので、そのとき筆者は本気で心配したものである。
「いやあ、まさに”虚を突かれた”とはこのことですね」
と、N氏が語ったのは、元旦の夜9時からスタートしたNHKラジオ第一の新番組『蜷川幸雄のクロスオーバートーク』内でのこと。第一回ゲストとして登場したのは、ジャニーズ事務所社長、ジャニー喜多川氏(83歳)だったのだ。
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N氏が驚くのも当然だった。ジャニーズ王国の「王」であるジャニー喜多川氏は、これまでメディアに登場することはほとんどなかった。その生出演は、まさに「奇跡」といっていい。
熱狂的なジャニーズファンでさえ、この出演情報を知る者はほとんどいなかったのではないか? そもそも、いまどき元旦の夜にラジオを、それもNHK第一なんてものを聴いている人間がいかほどいようか。
しかし、安心してほしい。1月6日発売の週刊女性は、そのときの模様を、ダイジェストながらきっちり報じている。ここは「さすが」といっておきたい。今回はゴタクを並べるよりも、素直にその「語録」をまとめさせていただこう。と、同時に、伝説の男を引っ張り出した功労者である、蜷川幸雄氏に拍手を送りたい。
蜷川氏が最初に突っ込んだのは、ほとんど都市伝説化しているとっていい、ジャニー喜多川氏の“ユー問題”だ。
「なぜに“ユー”なの?」
と問う蜷川氏にたいして、ジャニーさんはこう言ってのけた。
「アメリカでは主語で“ユー”を使うことが多いから、つい言っちゃうんですよ。(痛いときは)いまだにこの年になっても、“アウチ!”ってなっちゃう」
これでいいのか、という返答であるが、さすが、アメリカ合衆国生まれにして、本名ジョン・ヒロム・キタガワというだけある。一般市民の理解の範疇を超えた突き抜けた返答は、あの長島茂雄を彷彿とさせるものがある。ここは、「ははぁー」とコウベを垂れるしかあるまい。
「名前は覚えられない」さらに蜷川氏は、収録前にジャニーさんとともに観劇したというキスマイ・玉森祐太らが出演する舞台に絡めて、こう尋ねた。
「舞台に出てる彼らの名前、覚えている?」
ほとんど認知症患者への質問のようだが、そこはこれまでジャニーズ所属タレントを自身の舞台に出演させてきた重鎮だからこそ許される言。一介の芸能人が同じ問いを発したならば謎の死を遂げるレベルだが、ジャニーさんは笑いながら、次のように答えた。
「自慢じゃないけど覚えてない。僕の悪いところで名前は覚えられない。ユーしか覚えられない!」
そして記事では、これまで数多くのトップアイドルを見出し、育ててきた“達人”が考える、昨今のアイドル観にも触れている。いったいどんなものか?
「みんな同じ髪型で、なんの特徴もない。坊主にしちゃえよ! 僕、すごく坊主頭の子がいいなって思う。女性だったらともかく、男は髪の毛でごまかしちゃダメ!」
2015年、ブレイクするのは坊主男子!? と、週刊女性風に締めさせていただこう。
(取材・文/小林靖樹)
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