人事出口戦略シリーズの4回目。今回は新雇用形態の増加についてです。

過去のシリーズは下記からご覧いただけます。(弊社の自社ブログへリンクします)

人事出口戦略シリーズ1手切れ金と引き換えに解雇できる首切り法

人事出口戦略シリーズ2首切り法の須要背景「高齢化と定年と年金」

人事出口戦略シリーズ3人事戦略の入口には熱心で出口には無関心

年功序列と終身雇用と定年制度の三位一体型雇用は、安定した労力を需要供給するのに向いていましたし、経済が成長しているぶんには、それで構いませんでした。

が、経済の成長が鈍化すると、採用するだけ採用しまくったため、人がダブつき、採用したはいいけれど仕事がない、ポストがない、給与を払うにも財源がないという窮地に企業は追い込まれていきました。

その兆候が現れてきたのは、窓際族や、肩たたきという新語※が流通し始めた頃(90年代前半でしたか)

※(窓際族とは、社内失業のこと。仕事はなくても、社員として待遇されるぶん、まだマシ。肩たたきとは、退職勧奨のこと。すぐに失業手当が出たり、退職金が割増しするぶん、まだマシ)

その後の遷移は、ご存知の通りで、

会社に残る者=経営者になる者、あるいは、経営者の右腕になる者

という構図が(一部の企業で)誕生し、それ以外の社員とは、円満に別れるべく出口戦略を布くようになりました。

たとえば、ある会社を一見すると、全員が正社員のように見えますが、じつは半数以上が、

・その会社の名刺をもち、

・その会社のユニフォームを着て、

・その会社の社員を動かす

外部の社員だったりします。その会社のOBが、籍だけ抜いて独立し、そのまま働いているのです。

会社としては、給料として出金するか、外注費として出金するかの違いですが、年金や保険等の雇用リスクを負わずに済みます。

社員としては、昨日まで勤めていた会社が、メインクライアントになるわけです。

これは、社内起業(ベンチャー)や独立支援というよりも、アントレプレナー(起業家)制度といったほうがいいでしょう。

こうした人事出口戦略に基づく雇用形態が増えていくかもしれません。

人事出口戦略シリーズ?人の出会いと別れは不可分にして表裏一体に続く(近日公開予定です)