トヨタ、日産、ホンダ、マツダの4社の9月における中国での自動車販売台数が前年同月比7.3%減になったことについて、中国メディアの中国汽車報は20日、「欧米メーカーや韓国メーカーが販売台数を伸ばしているのと対照的」と指摘した。(イメージ写真提供:123RF)

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 トヨタ、日産、ホンダ、マツダの4社の9月における中国での自動車販売台数が前年同月比7.3%減になったことについて、中国メディアの中国汽車報は20日、「欧米メーカーや韓国メーカーが販売台数を伸ばしているのと対照的」と指摘、日本の自動車メーカーが中国で販売台数を伸ばすためには「中国市場を尊重することが求められる」と主張した。

 記事は、米国市場では日本車の販売は好調だと紹介する一方、「なぜ中国では低迷しがちなのだろうか」と疑問を呈しつつ、「日中関係を悪化させた日本政府にも責任はあるが、日本の自動車メーカーにも問題がある」と主張。さらに日本車の販売が低迷しているのは「天の時、地の利、人の和のいずれにおいても状況が芳しくないため」と論じた。

 まず、「天の時」について、記事は「冷え込んだ日中関係」を挙げ、多くの中国人消費者が日本への複雑な感情を理由に日本車の購入を拒否しており、公用車や社用車も日本車は避けられつつあると指摘。

 さらに日本の各自動車メーカーは「政策への対応を誤るというミスを犯した」と伝え、2004年から08年にかけて、日本車のシェアは22%から30%にまで上昇したものの、09年に導入された排気量1.6リットル以下の自動車を対象とした補助金政策に対応できず、日本車のシェアは09年9月には16.2%にまで急減したと指摘した。

 続けて「地の利」について、記事は日本車はもともと加工貿易および輸出の拠点である広東地区で大きなシェアを獲得していたとする一方、「金融危機の発生後、中国経済は輸出振興から内需発展へと舵を切り、自動車市場の重点も南部から北部へ、東部から西部へと移った」と指摘。中国市場の変化に対応できなかった日本の自動車メーカーとは対照的にドイツや韓国の自動車メーカーは変化に対応してシェアを伸ばしたと紹介した。

 また「人の和」について、「日本車は中国の消費者の間でブランド構築に失敗した」とし、特に高級車市場では欧米ブランドの独壇場となっていると指摘。アウディなどのドイツの高級車中国人消費者のニーズに合致した自動車を投入すると同時に良好なブランドイメージを構築していると紹介する一方、日本の高級車ブランドは消費者の認知すら下がりつつあると指摘した。

 最後に記事は、日本車が中国で本当の意味で復活し、シェアを奪い返すためには「中国市場と中国人消費者の需要を研究し、現地生産を強力に推し進め、市場細分化のうえで需要に合致した自動車を投入する他にない」と主張、つまり中国市場に対する尊重が不可欠であるとの見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)