弱き者。その名は顧客/小笠原 昭治
マーケティングの第一義である「顧客」とは何でしょう?筆者なりの顧客の定義は「弱き者。その名は顧客」です

顧客、あるいは顧客とは?で検索してみると、じつに多様な解釈があるようです。

検索すると、顧客とは、

1)お得意様(大辞林、goo辞書、Yahoo辞書)

2)ひいきにしてくれる人

3)金儲けするために、物事を提供してくれる人

4)お店に来て頂いた人

5)商品を買ったことがある人

6)商品やサービスを受け取る人

7)買う気があって、買うことができる人

だそうです。解釈は、それぞれながら、すべてに共通しているのは、顧客が「人」であるということ。

「当たり前じゃん」

と思いますよね?人であって、神様ではありませんね?

もしも神様だったら、福の神ではなく、あなたの財布から、お賽銭を奪い取る、貧乏神でしょう。

お金を払うのは、人間ですから、神様である以前に、お客様です。

まだ買ったのことない見込み客を含め、お客さんは、

1)福袋を抱えた神のごとき存在 = 神様

でもなければ、

2)データや計算で割り切れる存在 = 数字

でもなければ、

3)下手に出なければならない存在 = ご主人さま

でもなければ、

4)商売を抜きに付き合う存在 = 友人

でもなければ、

5)利害損得が無関係な存在 = 家族

でもなく、

一人では生きていけない弱い存在 = 人間

です。そう考えれば、顧客の謎が解けます。

顧客とは、売る側の前では「弱き者」という新解釈が、筆者なりの顧客の定義です。

弱いから、持たざるものと、持っている金銭を交換して、それを得ようとします。

弱いから、あなたの得意分野における手助けを、お金を払ってでも、必要としています。

弱いから、強く見せようとします。

もしも、あなたと同じ強さがあるなら、あなたの手助けなど要りません。

服を着たければ、自分で作りますし、

電力が要るなら、自家発電しますし、

牛肉が食べたければ、牛を飼育し、屠殺し、加工し、料理して食べます。

ところが、どれもこれも一人じゃ出来ません。できないから、金銭と交換して、叶えようと欲します。

弱いのですから、手伝ってあげましょう。守ってあげましょう。大切にしましょう。

代価の範囲内で。