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解説:鹿野宏

前回は「Blackmagic Pocket Cinema Camera(以下BMPCC)」を紹介しましたが、ソフトウェア「DaVinci Resolve」については触れるスペースがなかったので、今回は気になるその機能について、もう少し紹介したいと思います。

「ノード」という独特の考え方
「DaVinci Resolve」は「ノード」という特徴的な機能がある。ノードは「Photoshopにおけるレイヤー」に似ているが、その連結の仕方で効果が変わってくる。たとえば「シリアルノード」は「ノード」が横に並び、左から右の順で効果がかかる。「パラレルノード」は縦に並び、その並んだノードの結果を合成する。Photoshop でレイヤーを使いこなすことがポイントのように、「DaVinci Resolve」では、この「ノード」を使いこなすことが、複雑な色調補正の鍵となる。

「DaVinci Resolve」は映像のトーン、色味を調整する「カラーグレーディング・ソフトウェア」で、ほとんどのコーデックに対応しています。作業の工程としては、色補正機能を行なう「プライマリ」パネルと、スタビライジング、トラッキングなど部分的な効果、色変換などができる「セカンダリ」パネルに分かれます。RAW現像も「プライマリ」パネルで行ないます。

さて筆者が「DaVinci Resolve」で一番気になっていた機能は「トラッキング」です。特定部分を選択すると、その部分が動いても、追従して選択してくれる機能です。たとえば動く人物の服の色だけを変えたいというのはよくあること。下の作例では「スポイトツール」を使用して「Photoshopの色域指定…」と同様な手法で、オレンジ色のワンピースを選択してみました。慣れると結構使いやすい機能で、あっという間に選択範囲を作成し、シーンごとにキーフレームを打ち込むことで、見事に動く被写体の衣装の色彩のみを変更できました。

トラッキング機能で洋服の色だけを変える
元画像
補正後
「パラレルノード」で、スポイトツールを使いモデルの洋服の部分を選択。彩度、輝度の情報を微調整する。選択範囲はモデルが動いても追従してくれる。この作業が10分かからずにできてしまった。これは便利な機能だ。

もう一つは「スタビライザー」機能。手持ち撮影の場合は、どうしても画面が上下左右に振れてしまいます。「スタビライザー」機能では、各コマの揺れを検知し、そのブレを軽減してくれます。Final Cut Pro Xにもスタビライジングの機能はありますが、それと比較してもかなりのブレを補正してくれます。

カメラの揺れを後から補正するスタビライザー機能
手持ち撮影した「揺れ」のある元画像に対し、「色補正」→「スタビライザー」の順で「シリアルノード」で重ねる。左の画面がスタビライザーのパネル。左右、上下、回転、ズームのそれぞれの方向で必要な処理を行なえる。実際に施した補正の状況はグラフに表示され、作例では上下(Tilt、青線)の揺れが大きかったことを示している。

以上の機能は、無料で手に入るライト版でも使うことができますが、有料製品版のフルバージョンに含まれる「ノイズリダクション(NR)」も気になったので、製品版をお借りしてテストしました。しかして結果は、驚くべき性能。ノイズがほぼなくなりました。製品版は約10万円。4Kをハンドリングしたり、NR機能が欲しければ、製品版を買うしかない。でも、それだけの価値があると思い始めた今日この頃です。

製品版のノイズリダクションはかなり強力
製品版の「ノイズリダクション」機能のコントロールパネル。制止部分にかけるノイズリダクションと、動体にかけるノイズリダクション、そして止まってしまった画像をぶらすことで動きを滑らかにする3つの機能が付いている。
アンダーの画像を思い切り持ち上げて、ノイズが発生した左側の画像。右側が強めにノイズ処理した結果。驚くべきは背景のポスターの部分、ノイズ処理されているにもかかわらずエッジが損なわれていない点。

ちなみに、ちょうどこの「DaVinci Resolve」のテスト前に、これまで使用していたMacBook Pro 15inchが壊れたため、2013年後半モデルを購入しました。以前の2010年モデルでは引っかかりながら動作していた「DaVinci Resolve」が、かなり軽快に動作します(もっとも他のアプリケーションを一切起動していない状態ですが)。これなら普通に使えそうです。

つまり、「DaVinci Resolve」を使うには、最新型の最上位機種程度の処理能力が必要となるということです。