武相が1安打1失点の継投リレーで3回戦進出!!

 昨秋ベスト8の強豪・武相の緒戦だ。

 武相の先発は菅原 賢人(3年)。186センチ77キロと実に恵まれた体格をした右腕である。注目の菅原は立ち上がり。緒戦の緊張からか死球を許し、暴投で、無死二塁。3番福里 孔明(2年)の犠打で、一死三塁のピンチを背負う。そして4番小出 勇気(3年)の遊ゴロの間にランナーが返り早々に1点を失う。

 しかし武相もすぐに反撃する。2回表、無死満塁のチャンスを作ると、8番井田 純平(3年)の中犠飛で同点に追いついた。更に3回表には一死三塁から4番坂本 雄大(3年)の三塁強襲安打で、勝ち越しに成功する。続く4回表は二死二塁から投手の菅原が適時打を放ち、1点を追加。3対1とその差を徐々に広げていく。

 立ち上がりに1点を失った菅原だが、右スリークォーターから常時130キロ中盤(134キロ)の直球と横に滑るスライダーを武器に、5回無安打1失点の好投。腕の振りの柔らかさは天性のものがあり、今後、腕を全力で振っても、コントロールが安定するようになれば、もっと注目を浴びる存在になるだろう。将来的には常時140キロを投げ込んでいてもおかしくない素材である。

 6回表、武相は一死二、三塁のチャンスを作り、1番有賀 幸太(3年)の適時打、代打・櫛毛 秀明(3年)の犠飛で2点を追加。5対1と試合を優位に進めていく。

 武相は6回から背番号1の右腕・藤谷 和輝(3年)がマウンドへ。藤谷は120キロ後半の直球、カーブ、スライダーをテンポ良く投げ分け、3回無安打無失点に抑える。いよいよノーヒットワンランまであと1イニング。9回裏には左腕の山口 拓朗(3年)が3番手で登板。あと1人というところで、安打を打たれたが、後続を抑えて、3投手のリレーで、1安打1失点。適時打を許さないほぼ完ぺきな内容で、3回戦進出を決めた。

 投手陣の好投で緒戦を危なげない試合運びで勝利した武相。一方、打線は高校通算40本塁打以上を打っている松野 悠大(3年)を中心に長打力のある打者が揃うものの、まだ、全体的に仕上がっていないようだった。投手陣は好調をキープしているだけに、今後の打線の爆発を期待したい。

(文=河嶋 宗一)