千葉英和が12得点の猛攻!長狭を5回コールド勝ち!

 千葉英和が自慢の強力打線で長狭を圧倒した。

 1回裏、千葉英和は一死満塁から5番中田 悠介(3年)の併殺崩れの間に1点を先制。さらに2回裏には二死一、三塁から敵失で1点を追加した。3回裏には一死から7番藤原の右中間を破る三塁打。8番矢野 翔大(3年)の中前適時打で、4対0。二死二塁となって、1番光武 樹生(2年)が中前適時打を放ち、5対0とする。

 ここまで試合を優位に進めてきた千葉英和。4回裏には打線が爆発。無死満塁のチャンスを作ると、6番吉川 智陽(3年)が高めに入る直球を振り抜き、レフトスタンドへ飛び込む満塁本塁打となり、9対0と大きく点差を広げる。

 吉川は小柄だが、非常にフォロスルーまで強く振れている。遊撃守備もフットワークが軽快で、安定した守備を見せている。攻守ともに力量のある好選手だ。

 その後も連打は続き、無死二、三塁からバッテリーミスで1点を追加し、再び1番光武の適時打で、この回6点目をあげる。とどめは二死二塁となって、代打・四方田 隆聖(3年)の適時打。これでこの回一挙7点をあげ12対0とする。

 投げては坂上 聖(1年)が好投。坂上は大田区立出雲中出身の右腕。非常に素質のある投手であった。ノーワインドアップから始動し、ゆったりと左足を上げて、インステップ気味に踏み込んでスリークォーターで振り抜く。常時130キロ前半(最速133キロ)の直球、スライダー、カーブをテンポ良く投げ分け、4回無失点の好投を見せた。

 5回裏には左腕の塩田 幸十郎(1年)が125キロ前後の直球を武器に簡単に二死を取り、最後の打者だけ捕手を守っていた網谷 圭将(2年)がマウンドに登った。網谷は常時135キロ前後(最速136キロ)の直球を披露し、最後の打者を抑え、12対0で完勝した。

 この日は自慢の強力打線が本領を発揮。1番の光武は1年生の時よりもスイングに鋭さが出て、内野の間を抜く当たりはだいぶ速くなり、高確率で安打を記録できる好打者へ成長。守備範囲の広い外野守備も魅力で、さらに注目を浴びる存在になるだろう。

 4番網谷は1年夏からクリーンナップに座る強打者。1年生の時はスラッガーらしいやや太めな体格だったが、この1年で、だいぶ身体が絞れ、動きにキレが出てきた。動きにキレが出てくれば、いろいろなポジションを任せることが出来る。今までは三塁・一塁だったが、今日は捕手をこなし、2.00秒台のスローイングを披露し、捕手としてもソツのないキャッチングが出来ていた。また投手として136キロを計測するのだから、身体能力は相当高いに違いない。

 また自慢の打撃は4打数3安打1三振。すべて単打だったが、無理に引っ張らず、内野手の間を抜く鋭い当たりを打つことが出来ていた。持ち味のパワーを発揮するのは次の戦いになるだろう。

 この日はエースの重田 倫明(3年)を投入せずに完勝。長い戦いが続く夏で、エースを温存して勝利出来たのは先のことを考えると大きな1勝だった。

(文=河嶋 宗一)