富岡西、「試合のツボ」抑え2回戦進出!

 選手個々の実力を比較すれば点差ほどの開きはなかった。特に城ノ内先発・多田 湧也(3年・投手・右投右打・181センチ83キロ・石井町立高浦中出身)が要所で投ずるストレートの迫力は、強豪校と伍しても決してひけを取らないもの。種々の事情はあるだろうが、彼にはもっと野球を探究して上のレベルを志してもらいたい。

ただ、今年6月の県総体南部ブロック大会でも那賀、小松島、小松島西を下し優勝。県ベスト8以上の実力を堅持している富岡西は「試合のツボ」を心得ていた。

たとえば本来、シュートなど多彩な変化球で打たせて取るタイプである先発の浮橋 遼平(3年・投手・右投右打・176センチ75キロ・阿南市立第一中出身は)パワーを全面に押し立て初回2奪三振。その裏1番・庄野 恭平(3年・二塁手・右投右打・172センチ70キロ)は初回初球から鋭くスイングしレフト線へ二塁打。いずれも夏緒戦となるチームメイトの緊張を解き放ち、勢いをもたらすには最高の過程、かつ結果である。

終わってみれば7回コールドで快勝した富岡西。中軸が12打席で2四球・1安打・1犠打にもかかわらず9本の単打を4盗塁で長打に変えた積極性が継続できれば、3年ぶりの夏ベスト8、20年ぶりのベスト4も視野に入ってきそうだ。

(文=寺下 友徳)