3番・安田、決勝タイムリー・川内

　川内と加世田。ともに地方進学校と似たスクールカラーを持ち、野球の実力も高い。好カードの前評判通り、序盤から流れが二転三転し、今大会初の延長戦にもつれた。

　先手をとったのは加世田。2回、先頭の6番・坂口 祐哉（3年）がライトオーバー二塁打で出塁し、7番・土屋 孝太（3年）の内野安打、8番・鮫島 佑研（3年）のライトオーバー三塁打、1番・藤井 淳哉（2年）のレフト前タイムリーで3点を先取した。

　川内は3回、4番・竹之内 優太（3年）のレフトオーバー二塁打で2点を返し、5回は5番・福田 剛志（3年）のセンター前タイムリーで試合をひっくり返した。6回にも1点を加え、中盤で主導権を奪い返した。

　このまま川内が逃げ切るかと思われたが8回、加世田は二死二三塁とすると8番・鮫島佑がセンター前に2点タイムリーを放ち、同点に追いついた。

　川内はその裏満塁のチャンスを生かせず、このまま一気に加世田に流れが傾きかけたが、エース井上 広大（3年）が9回表を3者連続三振で打ち取って勢いを断つ。延長10回二死二塁で3番・安田 幸哉（3年）がライト線二塁打を放ち、2時間18分の熱戦にケリをつけた。

　中迫俊明監督は「これまでこのような競った試合をなかなかものにできなくて、勝ち上がれなかった。きょうの勝ちが一皮むけるきっかけになってくれれば」と期待していた。

（文＝政 純一郎）