【iPhone】“リアル”じゃないとボツ! 「食品サンプルケース」のHameeに潜入取材

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食品サンプルケースってご存知ですか? レストランなどのショーウィンドウで飾られている食品サンプルをケースにしちゃった、というユニークなケースのこと。そして、この食品サンプルケースを最初につくったのがストラップヤ(現Hamee)でした。

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今回はそのHameeさんの社内に潜入取材! 写真の真ん中に鎮座しているおせちiPadケース(3万8千円)をはじめ、いろんなオモシロケースを見せてもらいました!

■小田原にあるおっしゃれ〜なオフィス

Hameeのオフィスがあるのは小田原。そう、お城やかまぼこなど観光スポットとして有名な、あの小田原です。オフィスはある商業施設の1画にあるのですが、入ってまず感じるのは小田原のレトロな雰囲気とは全く違う洗練された感! 木を基調にしたとってもオシャレなつくりです!

さっそくオフィスに入っていくと、壁にはなにやら賞状が。こちらを見てみると、「4月1日 携帯ストラップの日」と記載されています。

「ん?」と思い、この日案内の対応をしてくれたWEB営業部の間宮さんに聞いてみると、なんとStrapyaNext(現Hamee)時代に、初めてストラップ用の穴があけられた携帯電話が発売された4月1日をストラップの日として制定したんだとか。そしてストラップの日にはお客様からストラップを送ってもらい、お寺にてストラップ供養をしてもらっているんだそう。ストラップ販売をしている会社だからこそ思いつく、素敵なサービスですよね!

その後も社内を案内してもらうと、撮影専用のスタジオが。ここで撮影された写真がいろいろなサイトに並びます。

そしてなぜかバランスボールが流行っているそうで社内ではこんな風景も。遊んでいるわけではなく、本当に真面目にお仕事をされているんです!

オモシロいものや真面目なコト、洗練されたものから親しみやすいものまで、いろいろなものが混在しているように見えるHammeさんのオフィス。食品サンプルケースは、そんないろいろな思考が織り交ざった中から生まれたのです!

■食品サンプルケースの歴史

食品サンプルケースが登場したのはiPhone3Gが発売された2010年。もともとストラップヤで食品サンプルのストラップを販売しており、それの売上が好調だったのが開発の発端。正直売れる見込みはなかったものの、「オモシロいから」というノリで焼きそば、ベーコンエッグ、日の丸弁当、衣フライのケースを作ってしまったんだそう!

しかし、うれしい誤算。食品サンプルケースが意外と売れたんです! 乗りに乗った社内では2011年から2012年にかけて1月1個、新しい食品サンプルケースを発売することに。

例えば8月はかき氷にカブトムシ! その季節にちなんだものを発売していったんだそう。大体企画構想から商品販売までは2〜3週間。その期間で食品サンプル職人さんにテスト品を作ってもらい、社内での精査なども行われていくんだそう。

■試行錯誤でネタと実用性を両立!

日の丸弁当、うな重、ネギといったものもありますが、実はこれ世代順に並んでいるんです。最初に発売されたのが日の丸弁当。話題性もありかなり好調だったものの、残念ながらカメラホールの白飯部分にフラッシュの光が反射して写真が白く飛んでしまうという声も。

「ただ、リアルさを追求するとどうしてもここのご飯の厚みは譲れない…。それならいっそカメラホールをなくしてしまえ!」と作られたのがうな重です。食品サンプルケースのようなオモシロいものを求めているお客さんには、カメラホールがないことはあまり弊害にならずこちらも好評だったそう。

しかしやはり多様なニーズに応えるべく実用性も見直され開発されたのがネギのケース。試行錯誤の末、カメラホール位置も、インパクトも両立したのがこちらのアイテムなのです!

■Hameeのプライドはココに。リアルじゃないとボツ!

この写真を見て違いは分かりますでしょうか? それが分かればあなたも立派な食品サンプル好き! かなり些細な違いですが、実際販売されているもの(写真・左)に比べて真ん中と右のものはフライの色や質感が不出来なのです。

確かに、言われてみれば焦げているように見えなくもないですが、素人目にはあまり違いが分かりません。しかし、その微細な違いにこだわりをもって商品を販売しているのがHameeさんなのです。

商品部の渡部さんに、開発に関するお話を伺いました。実は以前「渡部家の肉じゃが」という商品を販売されたことがあるんです。というのも、リアルさを求めるがゆえ。

もともとは肉じゃがの食品サンプルケースを発売することになっていたのですが、社内で話を聞いてみると、肉じゃがは家庭によってつゆの色に濃い、薄いなどの違いがあることが判明。それではお客さんも納得できないんじゃないか、ということでリアルを忠実に再現するため「渡部家の肉じゃが」としてつゆの色の濃い肉じゃがケースを発売したのです。まさにプライド!

実はこれらたい焼きやお餅などもサンプル段階でボツになった品々。

ボツになってしまうのは
・リアルっぽさがない
・ネタが旬じゃない
・ちょっとふざけすぎ
などの理由があるんだそう。

先に出たネギのケースは、当時初音ミクの人気が高まっていたことが背景に。なんでもかんでもネタとして出しているわけではなく、きちんと世の中のトレンドを押さえているんです。

■次のフィールドは世界!? 女性のファンにも注目!

WEB営業部の間宮さんイチオシのアイテムがベリーパンケーキのスマホスタンド。パンケーキのふわふわ感ととろーりソースの質感がお見事! 見ているだけでお腹がすきそうなアイテムです! 

今まで、ネタものの食品サンプルケースは男性向きのものが多かったものの、女性にも好きな層がいるんではないかと開発されたアイテムなんだそう。どんどん新しいことに挑戦していくHameeさんらしい姿勢がうかがえる商品です!

また、商品部の渡部さんに今後やってみたいことを聞いてみたところ、「世界の食べ物を巡る世界ツアーをやりたい」とのこと。Hameeさんはすでに韓国とアメリカに子会社があり、世界も視野に入れて事業を行っているんだそう。「食品サンプルのクオリティでは世界でも負けない」と語ってくれた熱い想いに期待です!