多田野の超スローボールに「その瞬間、ソフトボールの試合と化した」

 レンジャーズダルビッシュ有投手のスローカーブと日本ハムの多田野数人投手の超スローボールが米テレビ局「FOXスポーツ」電子版で“えげつないボール”として特集され、全米で大きな話題となっている。

「もしも、あなたがえげつない変化球のファンなら、日曜日は最高の日だった」という一文で特集記事はスタートする。

 最初に動画と共に紹介されているのは2004年から2005年までインディアンスで15試合に登板したこともある多田野のイーファスピッチと呼ばれる超スローボールだ。今月1日の阪神との交流戦で多田野はマウロ・ゴメスに対し、1ボール2ストライクの4球目に山なりのスローボールを投じた。

「パ・リーグの試合がその瞬間、ソフトボールの試合と化した」「これまでに見たイーファスピッチの中で最も感銘的」と記事では描写されている。

「タダノの手から放たれたボールは最高到達地点約20フィート(約6メートル)の弧を描き、キャッチャーミットにそのまま吸い込まれ、完璧なストライクに見えた」とも解説。主審はボールと判定したが、元レッドソックスのゴメスも首を振りながら笑っていたと報じている。

 特集では、多田野の衝撃的な一投が試合前日に1軍に登録された直後に投じられたことを驚きとともに報じている。多田野のこの一球はUSAトゥデー電子版や米テレビ局CBSスポーツ電子版、ニューヨーク・デイリーニューズ電子版などでも動画とともに紹介されており、多田野の注目度は再びアメリカでも高まっているようだ。

ダルビッシュが衝撃の一球を炸裂させた

 一方、ダルビッシュも同じ1日の日曜日にナショナルズ戦で先発し、8回12奪三振で無失点という圧巻のピッチングで勝利投手となったが、この試合での切れ味抜群の変化球が話題となっている。

 記事では「ダルビッシュはえげつない変化球の武器庫だが、衝撃の一球を炸裂させた」と説明。動画と共に紹介されたのは4回にアダム・アローシュ一塁手に投じた一球だ。

「2ストライクを奪った後、ダルビッシュは驚きの要素を持ち出した。59マイル(時速94キロ)のスローカーブを外角に投げた。ラローシュは明らかに狼狽し、バットを肩から動かすことができず、三振となった」と絶賛している。

 ダルビッシュの投げるスローカーブの威力はメジャーで知れ渡っている。5月22日のタイガース戦でも時速55マイル(88キロ)のカーブをトリー・ハンター外野手に投げている。ダルビッシュのカーブの平均時速は68マイル(109キロ)だという。  

 奇しくも同じ日に米メディアをも驚かせる一球を投じた両投手。今後も会場を沸かせるピッチングに期待したい。

フルカウント編集部●文 text by Full-Count