モノのインターネットの分析には巨大な市場機会が待ち受けている
モノのインターネット(IoT)が基盤サービスになりつつある中で、巨大市場は IoT のやっかいなデータを解析できる人材を求めている。
モノのインターネットはこの15年間、誇大に宣伝されてきた。しかし技術面では、いまだに現実がその可能性に追いつけていない。
最近ではセミコンダクタの価格が下がり、過剰な容量を有する通信事業者が現れ、そして新世代のオープンソースデータ・インフラストラクチャも登場し、IoT は単なる夢物語ではなく現実味を帯びてきた。問題は、開発者がそれを使って何をするかだ。要するに巨大な市場が、 IoT のビッグデータをデバイス横断型サービスに変換できる開発者を待ち望んでいるのである。
モノのインターネット:価値があるのは「モノ」ではなくてサービスだ
しかし、それ以前の段階であるデータ管理と分析にも、多額の資金が注ぎ込まれている。実際、モルガン・スタンレーが新たな研究で仮定したところによれば、IoTサービスは、分析を中心としたIoTデータ管理が成熟した産業でなければ活かすことができない。
初めに、データがあった
モノのインターネットは開発者に、これまでの構造的データとは全く違うデータ管理のアプローチを強いている。IoT の世界では、インターネットへの定常的な「太い」接続に頼るなんてことはあり得ないことだ。Forrester の分析専門家、ジェフリー・ハモンドは次のように説明している。
記録システム(つまり、ERP や CRM システム)の設計者は、リレーショナル・データベース・管理システム(RDBMS)に接続する際にはローカルネットワークを当てにすることができる。そのため、あまり深く考えたりせずに肥え太ったアプリケーションサーバーに向けた設計を行う。
このような感覚では、何千、何十万、何百万ものエッジノードをオペレーションシステムに接続するような構築を行うことは到底できない。ネットワークバンド幅、メモリ、電力、そして演算能力は、IoTの末端では必ず制約されるのだ。
では開発者はどうするべきか? ハモンドによれば、Hadoop、NoSQL のような新しいデータ技術の習得を目指すべきだという。
従来の開発者たちが(データの)分析段階でつまずく主なハードルは、エッジノードが放出するデータのボリュームの多さと処理すべきスピードの速さだ。そのために、開発者がデータを収集して分析の準備を行うためのNoSQL データベース管理システムの普及が進んでいるのである。
この、より進化したデータインフラストラクチャに向かう動きは、ベンダーにとってマシン・ツー・マシンのデータ市場における大きなチャンスである。データ管理ベンダーだけではない。実用的なクラウドインフラストラクチャを提供するベンダーにとっても同じことが言える。特に、Amazon が最近立ち上げた Kinesis サービスは全体的なアプローチを提供しており、高速データ取り込みに加えて、ストレージとデータ分析のために S3、DynamoDB、RedShift に接続することが可能だ。開発者はAmazon で、本や服を買うのと同じように様々な IoT のインフラストラクチャを買えるようになってきているのだ。
データを覗く
データ管理は大きな市場だ。しかしエンドユーザーには一歩届かず、 IoT 最大の市場はまだ開かれていない。IoT のゴールドラッシュで一稼ぎしようと考えている開発者にとって、データ分析は巨額の宝くじでもある。モルガン・スタンレーは分析の機会を、IoT を収益化する過程の半ばにあると位置づけている。
これを Cowen & Co. の分析専門家、ピーター・ゴールドマッシャは揶揄し、ビッグデータについて次のように言っている。「勝者の大半はアプリか分析のベンダーとなっており、このことは、ユーザーフレンドリーなフロントエンド内部で入り組んだ重要な技術を扱う仕事の複雑さを物語っている」。 ユーザーのデータ分析や可視化を助けるために登場した Palantir や Tableau のような会社のホストを利用できるようになった一方で、IoT は未知の分野のまま取り残されている。その理由の大方は、大半のビジネスインテリジェンスや分析ツールが時代遅れのリレーショナルデータベース・モデルに留まっているためだ。
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Splunk はおそらく本当の IoT データ分析に最も近い機構を手に入れている。その起源がマシンデータの分析にあるためだろう。Splunk はすでにその技術を Hadoop を取り込むために拡張しており、HUNK という製品を通して Hadoop の分析を提供している。非構造型データを手中に収めるため、他の拡張方法も探しているのはほぼ確実だ。ガートナーによれば、非構造型データは構造型データの2倍の成長速度を持ち、すでに全企業データの80%を占めているということだ。
データ分析に潜むチャンス
IoT データは、従来型のデータ管理技術のテーブルや結合にはほとんどマッチしない。そこが問題なのだ。実質的に、すべてのビジネスインテリジェンスと分析会社は SQL をベースとして、きちんと整列したリレーショナルデータベースの技術に依存している。これは、ビッグデータのモノのインターネット経済では通用しない。こういったツールは広範に渡っての再設計が必要である。ベンダーの中には、最新のデータ管理技術に対して ODBC ベースの接続を採用して、この要件を避けてきた所もある。しかしこれは、非構造型データの豊かさを損なう結果となり、最終的には上手くいかないだろう。
つまり、ビジネスインテリジェンス、とりわけ IoT インテリジェンスの新たな改良が、切実に求められているということだ。我々は、IoT の燃料となる多様な非構造型データを取り込んで処理することができる、新たな分析ツールを必要としている。これを、あなたの次なる起業のヒントにしてみてはいかがだろうか。
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Matt Asay
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