『お父さんがキモい理由を説明するね』(中山順司/泰文堂)。書籍版では、父と娘の追加トークを加筆。妻・祖父のトークも追加収録。

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お父さんが中学生の娘を「○○タン」呼ばわりする。
寝顔を見ればほっぺにキス。布団の足元から、潜り込んで来る。
時には、後ろから娘を羽交い絞めに。
中年オヤジの鼻先を、少女の耳たぶにこすりつける…。
娘命の父=中山順司(43歳)。
父の愛情攻撃を受ける娘=中山サオリ(13歳)。
ビジネスメディア「誠」で、父のキモさをガチトークした父娘である。
この記事は、媒体新記録の「2万いいね!」を達成。
書籍版
『お父さんがキモい理由を説明するね』が発売された。

中山父娘の本音トークは、土曜の早朝七時からスタート。
他の家族に邪魔されぬよう家を抜け出して、2時間以上議論する。

娘「真っ暗な寝室で、娘の寝顔に顔を近づけている中年オヤジの姿、想像してみて。
親子じゃなかったら、100%犯罪行為なの。自分の行為が、いかに異常であるか、イメージできるでしょ」
曖昧な表現は一切禁止で、明確に意見を述べるのがルール。
娘の厳しい言葉のあと、こう続く。
父「冷静なほうの脳みそはお前の言うことを理解できるんだが、もう半分が感情を制御できんのだ」
娘「お父さんって、まるで飼い主に好かれたくて必死にしっぽを振っている子犬みたいで、かっこわるいよ」
父「お父さんも、最近そんな気がしている…」
娘「43歳の立派なオッサンなんだから、年齢にふさわしい大人になってよ」

2人は「夢と目標」「英語と留学」から「友情」「いじめ」まで議論。
最終的には、「生きる意味」を論じるまでになる。
担任教師も巻き込んで、考え抜いた娘の結論。「中二病的なことを言うのだろう」という父の予想は裏切られる。

娘「人間が今まで生き残り続けてこられたのは、過去の人たちのおかげなんだよね。
戦争や争いは何度もあったけど、仲直りしたり、反省したり、少なくとも絶滅するまでは殺しあわなかった。」
父「戦争はいまだに起きているけど、少なくとも歴史上ではすごく減ったと言えるよね。」
娘「今があるのは、先祖の努力の結果なんだよ。」父「その通りだ。」
娘「だから、私も今の平成の時代じゃなくって、未来の世界や人々の…役に立つっていうか…ためになりたいっていうか…。」
父「発展とか、貢献?」
娘「そう、貢献!私は未来に貢献したい。
自分が未来の人のための役に立つよう、今を頑張ることが、私の生きる意味なんじゃないかっていう考えにたどり着いたの。」

父娘の対話は、妻と祖父も巻き込んでいく。
妻は「高校を2ヵ月で辞めた」と打ち明け、癌から生還した祖父は「死ぬこと」を語る。
本書は、中山ファミリーのガチトークを3部構成で収録。
第一章「父と娘のマジトーク」では、「父がキモい理由を説明してもらった」
「生きる意味について、父と娘で話してみた(娘の考え編)(父の考え編)」など10トークを掲載。
第二章「父と娘と妻のマジトーク」は「“正しい彼氏の見つけ方”について、妻を交えて話してみた」
「“後悔”について、妻を交えて話してみた」。
最終章は「娘とおじいちゃんのマジトーク」。
「家系についておじいちゃんと話し合った」「後悔について、おじいちゃんと話し合った」
「死について、おじいちゃんと話し合った」で締めくくる。
巻末には、父が書いた「二十歳を迎えたサオリへ贈る手紙」付き。

お父さんを思い出す。
酔っぱらったら、ミスタードーナツを買い込んで、私の部屋に突入してきた。
普段は、車に2人っきりでいても無言だったのに。
もしかしたら、中山父娘みたいに話がしたかったのだろうか?
今度、しっかり話し合うために、お父さんに会いに行こう。
(田久保あやか)